2025/04/16
「フレームワークを覚えれば何とかなる」
——そう思ってケース面接に臨んで、見事に撃沈する人があとを絶ちません。
実は、フレームワークや知識量の勝負ではないのがケース面接の本質。たとえば戦略コンサルティングファーム(マッキンゼー・BCG・ベインなど)の選考では、「知識」ではなくその場で考える力を重視しています。
では、なぜ「正しい解き方」が大事なのか?
それは、ケース面接がビジネスにおける“リアルな意思決定”のシミュレーションだからです。
たとえば、「売上が減少している飲食チェーン」について原因と打ち手を問われたとしましょう。
ありがちな回答はこうです:
「売上=客単価×客数なので、それぞれの要因に分解して考えます…」
もちろん、この構造分解が間違っているとは限りません。ただし、その後に:
といった、“自分の頭で考えて道を作る力”を見られています。
つまり、「正しい地図(=フレーム)」だけではダメで、「その地図をどう使って問題を解決するか(=思考の運転)」が問われるのです。
しかし、思考力や問いを立てる力は、表面的な対策では身につきません。内定者や優秀な同期の回答に数多く触れ、発想のポイントや思考プロセスを身につけることが重要です。そこでこの記事では、実際のお題をもとに、ケース面接の解き方や回答の流れ、評価基準を学んでいただきます。思考時間5分で求められる実際の思考プロセスに沿って解説しているので、ケースに取り組む過程を疑似体験していただければと思います。
▼他のオススメケース解説記事はこちら
ケース面接とは、企業の経営課題を題材にした問題解決のシミュレーションです。以下の記事ではケース面接での頻出のお題について解説しています。
【完全ガイド】ケース面接のお題&回答例|頻出パターンと攻略法を徹底解説! - CaseMatch(ケースマッチ)| 完全無料のAIケース面接対策
以下の記事でもケース面接について解説していますので、ぜひ参考にしてみてください。
ケース面接の流れを完全解説!初心者が知るべきコツと合格するやり方 - CaseMatch(ケースマッチ)| 完全無料のAIケース面接対策
【内定者が厳選】ケース面接対策に最適な本10選 - CaseMatch(ケースマッチ)| 完全無料のAIケース面接対策
ケース面接の必須フレームワーク一覧|効果的な使い方と合格するコツを解説 - CaseMatch(ケースマッチ)| 完全無料のAIケース面接対策
海外進出戦略を考えさせるお題です。ケースやジョブで出題されることがあり、慣れていないと「海外進出!?」と面食らってしまって遅れを取ることになります。海外進出特有の課題や論点設計に注目しましょう。
ちなみに、ジョブなんかだと「そもそも海外進出はするべきなのか?」であったり、「そもそも東南アジア市場より他の地域の方が良いんじゃないか?」であったり、このお題自体に疑問を持ち、別の路線を検討するケースもあるかもしれません。こうした道を取るべきかどうかは自社の強みやポジショニングによって変わるわけですが、本記事では東南アジア市場に進出するのは既定路線として検討していくことにします。
「国内で人気のカフェチェーン」という個社名のないお題が与えられているので、お題が与えられた時点で「ちょっと抽象的すぎるから具体的な状況を前提確認で補おう」と考えます。
ただし、ここで一つポイントなのが、前提確認で気合いを入れすぎないことです。GDやケースの初心者は結構気合いを入れて前提確認をしてしまいがち。GDで、「期間は◯◯年で。いや、長すぎるか…?」とか「売上目標は120%!?200%!?」といった議論に時間を割いてしまうパターンをよく見聞きします。しかし、ここはそれほど評価の対象になりません。なぜなら、実際のコンサルティングワークの際は、前提条件は無条件に与えられているのですから。
ここでは、ざっくりと以下のように前提確認をします。
- 主体:カフェチェーン社長
- 期間:5年
- 売上目標:数値設定はないが、東南アジア市場で利益が出ること
とでもしておきましょう。
さて、以上が定番の前提確認です。ここではもう少し深めに前提確認をしておきましょう。
前提確認から課題特定にかけてのポイントは、「スタンスを取る」ことです。「スタンスを取る」とは何か? フラットに、(「主体、期間、売上目標」のような)決まりきった項目について分析するだけでなく、何らかの考えを持ち、それが正しいかどうかを検証するという形で前提や課題を定めていくということです。
ここでは、「国内でのポジションによって東南アジア進出にあたって考えるべきことが違いそうだな」「海外進出のノウハウがあるかどうかによって考えるべきことが違いそうだな」といった形で、重要そうな論点が頭に浮かびます。しかし、国内でのポジションや海外進出ノウハウの有無は、事前情報がないのでよくわかりません。面接官に質問するのもアリですが、ここでは前提条件としてこちらで置いてしまいましょう。
こうして、前提確認も型にはまった項目だけでなく、自らの考え=スタンスを持ち、必要なポイントをしっかり抑えることが大切です。
🌟ケース面接の準備に、何から手をつければいいか迷っていませんか?
CaseMatchでは、コンサル志望者のために開発されたケース特化型AI面接練習サービスを無料で提供しています。
✅完全無料
✅いつでもどこでも、実際の過去問をベースにしたケース面接を練習可能
✅AIが14,000件以上の回答データとプロの採点結果に基づき、あなたの回答を自動で採点・フィードバック
再現性を持って、かつ効率良くケースを練習できるツールとして、今多くの就活生から注目されています。
▼ぜひ一度ケース面接の実力を測ってみませんか?
まずは現状分析。東南アジアということで、市場や競合がどんなものなのかがとても気になりますね。ということで、3C分析を基軸に分析してみます。
まず東南アジア経済の一般論ですが、急速な経済発展により全般に所得が高まっていそうです。旧来は一部の富裕層とそれ以外、といったセグメント分けが当てはまってきましたが、近年は全般的に所得が底上げされ、中間層も出てきていそう。ただし、カフェの需要がどれだけあるかでいうと微妙な気もします。ターゲットとなり得るのは一部の富裕層に加えて中間層の一部だと考えられますが、昔ながらの市場や飲食店がある風景を思い浮かべると、あまりカフェに行く文化が根付いていない可能性があります。