2025/07/15
目次
🏢 アビームコンサルティングとは?|新卒で人気の理由
🔶アビームの事業内容と特徴
🔶戦略ユニットとの違いとは?
🔶初任給はいくら?他ファームとの比較も紹介
📅 アビームの新卒選考フローを完全解説
🔶選考スケジュールと各ステップの概要
🔶インターン選考と本選考の違い
🔶通過率・倍率の実態は?
✍️ ES(エントリーシート)の通過率を上げるには?
🔶よく聞かれる設問と回答のポイント
🔶内定者の通過ES例を紹介
🔶NGな志望動機とは
💻 SPI・Webテスト対策|ボーダーを越えるコツ
🔶アビームで実施されるSPIの形式とは?
🔶高得点を狙うための勉強法と時間配分
🔶よくある失敗例とその対処法
🧠 ケース面接の過去問を実践解説!
🔶実際に出題されたアビームのケース問題
🔶フレームワークに頼らない思考法
🔶面接官が見ている評価ポイントとは
🧩 通過者に共通する選考突破のマインドセットとは
🔶なぜESやSPIだけでは不十分なのか
🔶アビームらしい人材とは?選ばれる人の特徴
🔶面接で「また会いたい」と思わせる話し方
📝 まとめ|アビーム内定の鍵は「準備×思考の質」
アビームコンサルティングは、デロイトやアクセンチュアと並ぶ国内有数の総合系コンサルティングファームです。日本発のグローバルコンサルとして、アジアを中心に全世界でプロジェクトを展開しており、「日系企業の変革を支援する立場」として強いプレゼンスを持っています。
就活生の間でアビームが高い人気を誇る理由には、次のような点が挙げられます。
特に「自分の意思でキャリアの幅を広げていける環境」「クライアントとの密接な関係性の中で長期的な価値提供ができる点」などが、安定志向と成長志向の両方を持つ学生に刺さりやすいポイントとなっています。
アビームコンサルティングの事業は、戦略立案から業務改革、IT導入・DX支援まで一気通貫で行う「総合系コンサルティング」に分類されます。特定領域に特化するのではなく、クライアントの課題解決を「構想段階から実行支援まで」広範に手掛けているのが特徴です。
また、特筆すべきは**「自社実行部隊との連携」**です。アビームには、計画の実行を担う専門部門(例:ABeam DX Labsなど)が存在し、提案にとどまらない実行力をもってプロジェクトを完遂します。これにより「やりっぱなし」の提言型コンサルとの差別化を図っています。
アビームは、かつての「デロイト トーマツ コンサルティング」から独立し、現在では日系企業として唯一、アジアに強いネットワークを持つ総合系ファームとしてポジショニングされています。特に製造業や小売、金融といった日本企業の主力産業において、アジア市場での競争力強化を支援する案件が豊富です。
アビームコンサルティングのなかでも、**戦略ビジネスユニット(SBU)**は、通常のコンサルティング部門とは明確に異なるポジションを持つ特別なユニットです。以下では、違いを観点別に整理しながら、具体的に解説します。
戦略ユニットは、戦略ファーム的な案件をアビーム内で経験できる貴重な場であり、経営視座を早期から身につけたい学生にとって魅力的です。一方で、求められる水準も高いため、ケース面接・英語対応力など、入念な対策が必要となります。一方、通常部門は幅広い業界・業務を経験しながら、自分の得意分野や専門性を形成できる土壌があり、地に足をつけた成長を志向する人にフィットします。
アビームコンサルティングの初任給は、月給29万5,000円(賞与年2回)が基本となっています。年収ベースでは、おおよそ450万円前後が初年度の水準です(2025年度入社時点)。この金額は、コンサル業界全体で見れば「中間〜やや低め」の位置にありますが、福利厚生や昇給スピードを考慮すると、必ずしも待遇が見劣りするわけではありません。
例えば、アクセンチュアでは月給34万円近く、初年度年収は約500万円が水準です。デロイトトーマツコンサルティングは30万5,000円、NRI(野村総合研究所)は30万2,500円と、いずれもアビームをやや上回る水準です。一方で、アビームは評価に応じた昇給スピードが比較的速く、若手でも着実に年収が上がっていく設計になっています。また、住宅手当・在宅勤務環境支援など、給与以外の待遇面で実感しやすい支援が整っている点も見逃せません。
なお、戦略ユニット(SBU)配属の場合、初任給や評価制度が異なるケースもあります。具体的な金額は非公開ながら、他の戦略ファームに比べるとやや控えめである一方、日系的な安定感と育成体制の中で戦略案件に携われることが魅力とされています。
初任給は確かに比較しやすい指標ですが、コンサル業界では2〜3年で年収が倍近くになる例も珍しくありません。そのため、入社後の成長機会や評価制度、離職率、カルチャーフィットといった中長期的な視点でファーム選びをすることが重要です。アビームは、「安定感ある働きやすさ」と「育成重視のカルチャー」が特徴であり、急激な年収上昇よりも着実なキャリア構築を志向する学生に選ばれています。
アビームコンサルティングの本選考は、エントリーシートから最終面接まで約1ヶ月半ほどで進行するスピーディな設計が特徴です。例年3月〜5月にかけて本格化し、学生のスケジュール負担が比較的軽いことも魅力のひとつです。
選考の入り口。設問数は2〜3問と標準的で、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)・志望動機・自己PRが頻出です。内容自体はオーソドックスですが、「論理構成の明確さ」と「アビームとの接点」が評価に直結するため、一般的な内容の焼き直しでは通過が難しい傾向にあります。
形式はリクルート社提供のSPI(言語・非言語+性格検査)です。自宅受験が主流で、締切はES提出と同時期に設定されるケースが多いです。SPIの足切りはやや厳しめとの声もあり、苦手分野を残したまま臨むと面接に進めないケースも珍しくありません。
担当:若手〜中堅のコンサルタント。時間は30〜40分程度。前半で人物面接(ES深掘り/志望理由/逆質問)、後半で簡易的なケース面接が実施されることが多いです(例:「国内タクシー市場の規模を見積もってください」など)。ケースの難易度は中程度で、結論よりも思考プロセスや説明力が見られています。
担当:マネージャークラス。一次よりも志向性やフィット感を重視した質問が増え、ケースを行わないこともあります。「なぜコンサルか」「なぜアビームか」に対する一貫性や、自分の考えを言語化できる力が評価対象です。
雰囲気は穏やかで、あくまで候補者の人柄・価値観を理解しようとする対話型が主流です。
担当:役員/ディレクタークラス。全体の中で最も志望度が問われるステップです。ここでは「アビームで何を成し遂げたいか」「5年後どんな人材になっていたいか」といった将来像に関する問いがよく投げかけられます。
正解を求められているわけではなく、自分の言葉で語れるか/腹落ちしているかが重視されます。
最終面接から数日以内に内定連絡が届き、その後、HR担当と面談。職種希望や入社意向の確認がなされ、内定承諾の意思表明へと進んでいきます。
このスピード感からも分かるように、選考対策の「仕込み」は3月以前から始めておくのが理想です。
アビームコンサルティングでは、サマー/ウィンターで実施されるインターン参加者に対して、早期選考ルートが案内されるケースがあります。ただし、「インターンに出れば自動的に内定に直結する」という設計ではなく、あくまで本選考とは“別ルート”で、難易度も形式もやや異なるのが実態です。
インターン経由では、ES・SPIが通れば実際の業務に準じたケース演習に参加できる点が最大の特徴です。その後、活躍度や人柄に応じて、早期の個別面談や評価面談を経て、特別選考や面接免除が案内されることもあります。
インターン選考では、スキルよりも**「吸収力」「協調性」「素直さ」「思考体力」**など、伸びしろ・姿勢・態度面が重視されます。グループワークでは他者との連携や貢献姿勢、リーダーシップを示せたかが後の評価に影響します。一方で、本選考は完成度や論理構成、面接における自己分析の深さなど、より“仕上がっているか”を見られる傾向が強くなります。加えて、志望理由やキャリア観が磨かれていないと、最終面接で評価が伸びづらい傾向があります。
確かに、インターン参加は選考上の一定のアドバンテージになります。特に、「顔が知られている」ことで面接時に安心感を与えやすいことや、インターン中に高評価を得た学生が早期内定につながる例もあります。ただし、インターンに出たからといって面接が免除されるとは限らず、通常ルートと同等の評価基準で選考されることもあります。そのため、インターン経由でも油断せずに自己分析・ケース練習は必須です。
アビームは“インターン経由しか内定が出ない”タイプの企業ではありません。実際、本選考ルートから十分な準備で臨んだ学生が多数内定しており、チャンスの開かれた設計となっています。インターンに出ることで企業理解は深まりますが、志望動機や価値観が明確に言語化されていれば、本選考のみでも十分に戦えるのがアビームの特徴です。
アビームコンサルティングは、コンサル業界の中でも比較的オープンな採用方針を掲げており、学歴や特定の経験に偏らず、幅広い層にチャンスがあるファームとして知られています。しかし一方で、人気の高まりとともに選考の倍率は年々上昇傾向にあります。
実際の選考倍率は年度や選考ルートによって異なりますが、27卒本選考の場合、全体の体感倍率は20〜30倍程度と見られています。特に以下の2点で倍率が高まりやすくなっています。
いわゆる「戦略専業」ではないにもかかわらず、戦略寄りの案件に関心を持つ層もアビームを志望しており、受験者層が拡大している点が倍率上昇の一因となっています。
SBU(戦略ビジネスユニット)を志望する場合、母集団自体が限定されており、かつ選考のハードルが高めに設定されています。ケース面接の比重が高く、英語面接を課されることもあるため、通過率は通常部門の半分以下とみられています。
本気でSBUを目指すのであれば、通常の選考とは全く別の競争環境を想定した対策が不可欠です。
アビームの通過率・倍率は、アクセンチュアやデロイトといった大手総合ファームとほぼ同水準であり、NRIよりはやや通過しやすいが、戦略ファームよりは難易度が低めという立ち位置です。とはいえ、準備を怠るといとも簡単に落ちる設計になっており、「難関コンサルの一角」としての厳しさは年々増しています。
アビームのESでは、例年以下のようなことが問われる傾向にあります:
設問はベーシックでありながら、通過率は決して高くありません。なぜなら、見られているのは単なる実績ではなく、「思考の深さ」「構成の明瞭さ」「企業との接続の強さ」だからです。
「何をやったか」ではなく、「なぜそう判断したのか」「何を感じ、どう学んだのか」を描くことが重要です。
例えば、「売上を伸ばした」という結果よりも、「その状況で何に課題を感じ、どういう仮説を立て、どのように周囲を巻き込んだのか」の説明に重きを置くべきです。
アビームの特徴は「構想から実行までの伴走支援」「日系企業との長期的関係」「アジア圏での強さ」などです。これらを理解したうえで、自分の経験や価値観とつなげる必要があります。
→ 抽象的に「成長できそう」ではなく、「自分の◯◯の経験から、××に強みを持つアビームに魅力を感じている」というように接続させましょう。
「将来こうなりたい」と語るだけでは不十分です。自身の過去の経験から自然に導き出されたキャリア志向であること、そしてそれをアビームの環境でどう育てていきたいか、というロジックが求められます。
アビームのESは、派手さよりも論理と納得感が重視されます。通過者のESには、以下のような構成・特徴が共通して見られます。
1.【背景・課題】状況説明と問題の明示
2.【思考・行動】なぜそう判断したか/どのように取り組んだか
3.【成果と学び】どう変化したか/そこから何を学んだか
4.【価値観との接続】今の自分の軸にどうつながっているか
→「課題解決のプロセス」を自分の視点で描けていることが最大のポイントです。
> 大学でチーム運営に挑戦し、「変化を嫌がる現場をいかに巻き込むか」に悩んだ経験を通じて、単なる指示でなく、仕組み・流れごと変える必要があると実感。それが「実行支援」に近いと知り、構想から定着まで伴走するアビームの支援スタイルに惹かれた。
→ 特別な経験でなくても、「経験→気づき→志望理由」というロジックが成立していれば、十分評価されます。
アビームの面接官は「うまく書かれたES」ではなく、「本当にその人が考えた言葉」を見ています。通過率が低い志望動機には、以下のような典型パターンがあります。
×「コンサル業界で成長したい」
×「多様な業界で経験を積みたい」
→ どのファームでも通用する理由では、「なぜアビームか」に答えていません。
→ たとえば「戦略にも実行にも関われる点に魅力を感じた」と書いていても、それを望む理由が自分の経験に裏打ちされていなければ、説得力がありません。
→「自分はこんなに努力家です」「課題解決に強みがあります」とアピールしても、それがどうアビームで価値発揮につながるのかがなければ、単なる独りよがりに見えてしまいます。
→ 実際の志望動機には、少しの迷いや過程があっていいのです。無理に飾るより、「自分の体験からこう感じるようになった」「その結果としてアビームに関心を持った」と、素直で論理的な説明が評価されます。
アビームのWebテストは、**リクルート社のSPI(Synthetic Personality Inventory)**を自宅受験形式で実施しています。試験の構成は以下の3部で構成されています。
特に重視されているのは言語・非言語の「能力検査パート」です。これは明確にスコアで機械的に処理される一次スクリーニングの一部であり、ボーダーライン以下だと人物面接に進めません。SPIの形式自体は非常に標準的ですが、アビームは受験者層の学力水準が高いため、基礎レベルでは太刀打ちできないことも多いです。「学校の定期試験の感覚で解ける」わけではなく、SPIならではのパターン問題に慣れておくことが不可欠です。また、制限時間はやや厳しく、特に非言語では「すべてを解ききる」よりも「解ける問題を素早く見極めて正確に解く」ことが求められます。時間配分ミスで半分しか解けないまま落ちる例も少なくありません。
SPIは地頭よりも**「慣れ」と「反射神経」が得点を左右する試験**です。高得点を狙うための対策は以下の3ステップで整理できます。
まずは問題集(『これが本当のSPI3だ!』など)で出題形式を把握しましょう。特に、非言語の図表・損益算・速度・順列系に苦手意識を持つ学生が多いため、頻出テーマに早めに慣れることが重要です。
本番では、1問あたりの解答時間は30秒〜1分。これを意識して解く練習をしないと、試験中に焦りや計算ミスが増え、得点が伸びません。必ず時間を計って演習を繰り返し、「簡単な問題を確実に拾うスキル」を体に染み込ませましょう。
市販の問題集だけではなく、Web形式での模試サイト(SPIノートの会/WEBテスト模試など)を使って本番に近い環境で演習するのがおすすめです。問題文の長さ、スクロール操作、目の疲労など、本番ならではのストレスを想定しておくことで、実力が本番で発揮されやすくなります。また、性格検査については「ウソをつかず、自分らしく」が基本ですが、明らかに一貫性を欠く回答や、協調性ゼロのような極端な結果になると足切りのリスクもあります。回答に迷う設問が出たときは「企業で働くうえで妥当か」という視点で補正をかける意識を持つとよいでしょう。
アビームのSPIで不合格となる学生には、共通した落とし穴があります。以下はその典型パターンと、対策です。
→ 対策せずに臨むと、特に非言語で致命的なスコアになります。周囲の受験者がしっかり対策している前提で、自分も同等以上に仕上げる必要があります。
→ テキストの演習はあくまで“基礎固め”。模試形式で時間内に解ききる訓練をしないと、本番で手が止まり、焦って崩れるケースが多いです。
→ 特に非言語では後半に簡単な問題が並ぶこともあるため、「わからない問題に時間をかけすぎない」「10問連続でわからない場合はいったん切り替える」などの意識が大事です。
→ 「リーダーシップがない」「人と関わりたくない」といった方向に極端な回答をすると、アビームの協働性・顧客志向のカルチャーに適さないと判断されることがあります。自分らしさを保ちつつ、社会人としてのバランス感覚を意識しましょう。
アビームのケース面接は、戦略ファームのような抽象度の高いものではなく、ビジネスの基礎的思考力と現場感覚のある発想力をバランスよく見られる内容が特徴です。出題テーマは比較的実務寄りで、「現実のビジネス課題をどう解決するか」を問う構成が中心です。
以下は過去に出題されたテーマの例です:
どの設問にも共通しているのは、**“ロジックと現実感の両立”です。机上の空論や過度に抽象的な思考では評価されません。一方で、アイデアを並べるだけでも不十分で、「なぜそれが必要か」「実現可能か」「どんなKPIで効果検証するか」**まで踏み込めると、通過率が格段に上がります。また、戦略ユニット(SBU)の選考では、これに加えて「M&A戦略」「グローバル展開案」といった、やや抽象度の高いテーマが出されることもあります。対策の負荷が大きいため、SBU志望者は他ファームのケース練習経験を通じて思考の柔軟性を養っておくことが必須です。
アビームのケースでは、「とりあえず3C」「とりあえず4P」といったフレームワークの“当てはめ”だけでは評価されません。むしろ、面接官によっては「使わなくていいので、あなた自身の頭で考えてください」と言われることもあります。
これは、アビームが**“課題の本質を自分で定義し、構造化して考える力”**を重視しているためです。
たとえば次のような考え方が評価されやすい傾向にあります:
→ たとえば「売上が落ちている」という課題に対して、「売上=客単価×客数」という分解式を起点に、そこからさらに「客単価の低下要因/顧客構成の変化/競合影響」などに細かくブレイクダウンしていくアプローチは、非常に有効です。
→ 「なぜ顧客が離れているのか」「どうすれば来館したくなるのか」といった当事者視点の仮説は、フレームワーク以上に強力な武器になります。面接官から「その提案はなぜ刺さるのか?」と聞かれたとき、仮想ユーザーの声で返せると説得力が一気に高まります。
→ もちろん3Cや4Pのような整理法は有効ですが、それを「先に使おうとする」のではなく、「自然に使われていた」という形に落とし込めると◎。思考の流れが自然であることが重要です。実際、アビームの若手内定者の中には、「フレームワークを一切使わずに、“自分の言葉”で分解と提案をしたら通過した」というケースもあります。事前に型を覚えることよりも、目の前の問題にどう向き合うかという態度と構造化の訓練が、突破のカギになります。
アビームのケース面接では、単に“正解に近いアイデア”を出すことではなく、**「思考の姿勢」と「コミュニケーションの質」**が評価の中心にあります。実際に面接官が注目しているポイントを、以下の観点で具体的に解説します。
→ いきなり「どうすれば売上が上がるか」を考え始めるのではなく、まずは「なぜ売上が落ちているのか」「どんな構造で考えるべきか」を仮説ベースで考えられているかどうか。結論を急ぐタイプの学生は、ここで減点されがちです。
→ 提案内容そのものよりも、「なぜそう考えたのか」「その提案が失敗するとすればどこか?」などの“深掘り”が重要視されます。突っ込まれて崩れる思考か、粘り強く守れる論点か。議論が進むほど評価が分かれます。
→ 面接官が指摘したポイントに対し、頑なにならず「確かにその観点も重要ですね。であれば〜」と切り替えられる柔軟性は、アビームのカルチャーと非常に合致します。意地を張らない冷静な修正力=思考体力として評価されます。
→ 話し方がスムーズかどうかよりも、「構造的に説明できているか」「論点がブレず、筋道だった説明ができているか」が重視されます。また、相手の発言を受け止めながら丁寧に返す姿勢も、コンサルタントとしての基礎能力とみなされます。
→ どれだけアイデアが優れていても、「それ、現場で本当にできる?」という視点が欠けていればアビームでは評価されません。戦略志向に偏らず、クライアントの現場に寄り添う感覚を持っているかも見られるポイントです。
以上のように、アビームのケース面接は、「正解を出す試験」ではなく、「どれだけ構造的に、丁寧に、実行可能性を意識しながら考えられるか」を評価する場です。フレームワークにとらわれず、筋道立てて仮説を提示し、それを柔軟に修正しながら対話できる姿勢が問われます。
アビームの選考では、ESやSPIはあくまでも「前提条件」でしかありません。どれだけ論理的にまとまったESを書いても、SPIで高得点を取っても、それは「書類選考を通過するための最低条件」に過ぎず、面接で“人となり”と“思考の柔軟性”を見極めるプロセスこそが、本質的な選考の勝負所となっています。その背景には、アビームというファームが単なる思考能力以上に、顧客との関係性の中で信頼を築きながら伴走できる人材を求めている点があります。たとえば、優秀なロジックを展開できたとしても、面接中に「相手の問いにまっすぐ向き合わず、自分のストーリーにこだわる」「考えが浅いのに自信だけで押し切ろうとする」といった姿勢が見られれば、たとえESが満点であっても通過は難しくなります。
逆に、SPIでギリギリの点数だった学生でも、面接で「一緒に働きたい」と思わせる誠実さ、粘り強い思考、実直な対話力を発揮できれば、十分に内定圏に食い込めるのがアビームの選考の特徴です。つまり、ESやSPIが評価されるのは「スペック」であり、面接では“人間性”と“将来伸びる素地”が見られているのです。この2つは完全に異なる評価軸であるため、書類選考で満足せず、むしろ面接こそが本番だと捉えるマインドセットが欠かせません。さらにいえば、アビームの面接官は非常に「人を見るプロ」が多く、用意されたロジックか、本当に考えて出した結論かを見抜く力を持っている点にも注意が必要です。テンプレのような回答はすぐに見透かされ、深掘りで崩れていきます。表面的な準備ではなく、自分の思考スタイルと価値観を本当に言語化できているかが問われる選考だと心得ておきましょう。
アビームが求める人材像は、単に“優秀なコンサル志望者”ではありません。論理性と人間味の両立、そして“伴走するコンサル”としての誠実な関わり方ができる人材こそ、アビームで最も重宝される人材です。
以下は、実際の内定者や若手社員に共通する特徴です:
アビームのプロジェクトは、戦略だけで終わることはなく、現場への落とし込みや定着支援にまで深く関与します。だからこそ、「指示を待つ」のではなく、自分で仮説を立てて能動的に動ける人材が求められます。面接では、学生時代の経験を通じて「自分で環境を変えようとした行動」が語られているかがチェックポイントです。
アビームの仕事はクライアントのCxOとも、現場の担当者とも対話しながら進めるため、一つの論理を相手によって柔軟に言語化し直す力が必須です。内定者の多くは、「誰に向けて何をどう伝えるか」を日常的に意識していた経験(部活、ゼミ、アルバイトなど)を持っています。
プロジェクトは基本チームで行うため、「自分が成果を出す」ことよりも、「チームとしての目標にどう貢献できるか」を考えられるタイプが好まれます。実際の面接では、「自分だけが頑張った話」よりも、「周囲と協力して、相互作用の中で成果を出した経験」が評価されやすい傾向にあります。
意外にも、アビームの選考で落とされるのは、「ロジックは強いが、人の意見を受け止められないタイプ」です。逆に評価されるのは、自分の意見を持ちつつ、相手の指摘を受けて考えをアップデートできる柔軟性のある人です。この姿勢は、プロジェクトの中で信頼を築く力そのものであり、アビームにおいて極めて重要な資質です。
面接の最後に「またこの学生と話したい」「一緒に働いてみたい」と思わせる学生には、いくつかの話し方の共通点があります。単に話し方が上手いというよりも、内容・姿勢・相手への配慮が自然に織り交ぜられていることが特徴です。
→ 回答の前に「今のご質問は◯◯という理解で合っていますか?」と一度確認したり、「少し整理させてください」とクッションを入れたりすることで、相手の意図を汲もうとする姿勢が伝わります。こうした“会話としての面接”ができる人は非常に印象が良いです。
→ 自己紹介やガクチカ、志望理由において、「何を、なぜ、どう行動し、どう変化したか」という流れが自然で、かつ一貫していると、聞き手はストレスなく話に引き込まれます。「印象に残る学生」の多くは、内容の良さ以上に“話の整理が丁寧”という特徴を持っています。
→ テンプレのような綺麗な志望理由よりも、「実際にこんな葛藤があった」「この経験があったからこそ、御社のスタンスに納得できた」といった実体験ベースの語り口の方が、はるかに人の心に残ります。表現の巧みさではなく、納得感のある話が好まれます。
→ アビームの面接官は“無理して見栄を張っている学生”をすぐに見抜きます。「失敗も多かった」「最初はうまくいかなかった」と正直に話し、そのうえで「だからこそ工夫した/だからこそ学んだ」と語れる人の方が、信頼されやすいのです。
→ 面接の最後に、「本日はお時間をいただき、ありがとうございました。率直なご質問をいただけたことで、自分でも気づいていなかった部分を掘り下げることができました」といった一言が自然に出ると、“一緒に働いたときの温度感”がイメージできる学生として印象に残ります。
こうした話し方・対話姿勢は、一朝一夕では身につきません。過去の経験を丁寧に言語化し、自分の価値観やスタンスを繰り返し見つめ直してきた人にしかできない姿勢です。つまり、“面接で勝つ話し方”は、話し方のスキルではなく、自己理解の深さと誠実さの総合力に他なりません。
アビームの選考突破には、単なる知識やスキルではなく、自分の言葉で語る力と、思考と姿勢の一貫性が求められます。ESや面接対策の本質は「自分を深く理解し、企業との接点を丁寧に言語化すること」。フレームよりも“なぜそう考えたか”を語れる人こそ、アビームが「また会いたい」と思う人材です。