2025/05/20
目次
🧭 はじめに|フェルミ推定とは?就活でなぜ重視されるのか
🔶フェルミ推定とは何か?
🔶コンサルや総合商社で問われる理由
🔢 就活で差がつく!フェルミ推定で覚えておくべき数字50選
🔶日常生活に関する基礎データ(人口・面積・交通など)
🔶モノ・サービスに関する数字(コンビニ・飲食店・スマホ台数など)
🔶経済・ビジネスに関する数字(GDP・企業数・市場規模など)
🔶頻出例題に役立つ数字の覚え方と暗記のコツ
💡 面接でよく出る!フェルミ推定の定番例題とその解き方
例題①:「日本にある信号機の数を推定してください」
例題②:「1年間に日本で消費されるピザの枚数は?」
🛠 解答に自信がつく!フェルミ推定の3ステップ攻略法
🔶ステップ1:前提を置いてロジックを組み立てる
ステップ2:数字を使って簡易計算する
ステップ3:答えを検証し“妥当性”を説明するコツ
😱 ありがちな失敗例とその対策|「ズレた前提」を防ぐには?
🔶面接官に突っ込まれるNG回答例
🔶精度より“筋の良さ”が重要な理由
📚 まとめ|フェルミ推定は“準備した人だけが勝てる”問題
覚えるべき数字を押さえておくメリット
✅フェルミ推定とは、限られた情報しかない状況において、論理的な思考や日常的な知識を駆使して、物事の規模や数量を概算する手法です。
問題をいくつかの要素に分解し、それぞれの要素に対して現実的な仮定を置きながら数字を見積もっていくことで、全体の推定値を導き出します。
この手法は、物事の本質を素早く捉える力や、思考の筋道を論理的に構築する力が求められるため、コンサルティング業界や投資業界での業務の基礎として用いられ、さらには就職活動の面接においても出題される傾向にあります。
フェルミ推定は主にコンサルで出題されます。ケース面接とセットで出されることも多いですが、たいていは1次面接で使われることが多いです。
⚠️そのため、ケース面接をたくさん練習しても、フェルミ推定で面接を突破する実力がないと肝心のケース面接まで到達できないことになります。
またここ数年は総合商社でもフェルミ推定が出されており、コンサル志望者以外もフェルミ推定の対策をする必要性が増しています。
✅面接官がフェルミ推定を通して、把握したい応募者の能力としては論理的思考力/構造化力/計算能力(数量的センス)になります。
フェルミ推定で求められる論理的思考力としては、計算式の選定で主に問われると思います。
✅問われる問題をどのような切り口で計算式を立てるのかを面接官は見ています。
いわゆる計算式の筋の良さと呼ばれる部分であり、簡単でわかりやすい式、または新たな視点での計算式を筋のいい式と呼べるでしょう。
また各要素に対して、どの程度の数字を置くべきか、自分なりの「根拠ある仮定」を立てていく必要があります。これは、現実的な範囲内で数字を置くセンスと、裏付けとなる論拠を論理的に思考し言語化する力が求められます。
フェルミ推定における構造化は根幹となる部分の1つです。
✅構造化力とは、複雑で曖昧な問題に対して、その全体像を捉え、解くべき要素に分解し、解決のための道筋を論理的に整理する能力を指します。
フェルミ推定では、「情報がほとんど与えられていない」状況下で、問いに対していきなり正確な数字を出すことは困難です。
🌟そこでまず必要なのが、対象を複数の要素に分けて論理的なフレームワークに落とし込む力です。
この構造化が適切であるほど、仮定や推計に説得力が増し、筋のよい思考が可能になります。逆に、構造化が不十分であると、前提の漏れや重複、筋の通らない推計になりやすく、結果の妥当性も損なわれます。
またこのような漏れや重複がない状態のことを「MECE(Mutually Exclusive, Collectively Exhaustive:漏れなくダブりなく)」と呼びます。
思考原則の名前ですが、時々知っている前提で話が進むこともありますので、理解しておいたほうがよいです。
▼MECEをはじめとしたフレームワークの解説はこちらから
ケース面接の必須フレームワーク一覧|効果的な使い方と合格するコツを解説 - CaseMatch(ケースマッチ)| 完全無料のAIケース面接対策
3つ目の計算速度と数量的センスはフェルミ推定において同じく非常に重要な要素の1つです。
ただ素早く計算ができればよいというわけではありません。限られた時間内に、ざっくりとした仮定をもとに数値を積み上げていくプロセスでは、正確な暗算力以上に「大きさの感覚」や「現実的な数値感覚」、そしてそれを素早く処理する力が問われるからです。
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フェルミ推定において代表的な数字を覚えておくことは現実的な仮定や見積もりを素早く行うための“基準値”として非常に有効です。
以下に、頻出かつ有用な数字を3つのカテゴリに分けて、代表的な50項目を紹介します。これらを押さえておくことで、面接やインターンでのフェルミ推定の精度・スピードが格段に上がります!
1度に50個の数字をまとめて覚えるのは困難だと思いますが、コツさえ抑えれば簡単に覚えて面接の際にスムーズに引き出すことができます。
✅フェルミ推定に役立つ数字を効率よく覚えるためには、ジャンルごとに分類して構造的に整理し、身近な経験やイメージと結びつけることが大切です。
また数字の規模感を踏まえることも大切です。市場規模でしたら、他のものの市場規模と比較することで覚えやすくなるでしょう。
解答例&考え方のプロセス:
1. 前提確認:
・対象:信号機
・対象地域:日本全国
配置されている建物(コンビニ、郵便局など)を推定されるもののパターンとして考えられるものとしては主に2つあり、面積ベース(建物が面積あたりどの程度あるか)か人口ベース(建物が人口当たりどの程度あるか)になります。
今回日本にある信号機の数の場合も同様に考える必要があります。その上で今回は面積ベースで考えることにします。その理由としては、①公共財的側面があるため必ずしも一定の人口ごとに配置されているわけではない、②身近にあり、面積ベースでイメージしやすいなどがあげられます。
2. 要素に分解:
・国土面積:38万平方キロメートル (30%平地、70%山岳地)
・平地と山岳地にわけ、その上で平地を都会と田舎にわけて考える
3. 計算:
→ 都会と田舎の割合を分けて考える必要がある。
→ 東京都の人口と面積から都会の人口密度を考える。
→ 東京都の面積:2,194km²÷東京都の人口:14,000,000人=0.000157km²/人
→ 日本の人口のうち半分が都会に住むと仮定
→ 62,500,000人×0.000157km²/人=9,812.5km²
:「都会に住む6,250万人」が必要とする面積は約9,813 km²
→ 9,813 km²/378,000km²=2.6%
→日本における平野(30%)が居住地だとすると都会と田舎の割合は1:9と考えられる
→ その上で筆者の家の周りだと約1km²あたり20個の交差点があるので
→ 都会:1km²あたり20個の交差点と仮定する。
→ 田舎は人口が過密しておらず、その1/10くらいだと思うので、
→ 田舎:1km²あたり2個の交差点とする。
これらを計算すると
都会:10,000 km² × 20 = 20万交差点
田舎:100,000 km² × 2 = 20万交差点
合計交差点数:約40万交差点
そのうち、都会で信号機付きの交差点は6割、田舎はその半分の3割と仮定する。
都会:20万 × 60% = 12万
田舎:20万 × 30% = 6万
合計:18万交差点に信号あり
その上で非居住地にも信号はあるが、具体的な数は分からないので、都会と田舎の合計の1割と仮定し、2万とする。
これらの計算から合計で20万の信号機がある交差点が存在すると分かった。その上で1つの交差点に何個信号機が設置されてるか考えなければならない。
標準的に 交差点あたり4方向 × 歩行者用信号含む = 約10〜12機と仮定
平均を取って10機とし、20万×20=200万。
これらの結果から日本にある信号機付きの交差点は20万。総数は200万と分かった。
2024年の警察庁「都道府県別交通信号機等ストック数」によれば、信号機 総数(信号機がある交差点の数)は約20万6700個、信号灯器数(今回求めた信号機の総数)は約230万とかなり近い値まで求めることができた。
解答例&考え方のプロセス:
・日本の総人口とそのうちピザを食べる人の割合を想定
・1人あたりが年に何枚ピザを食べるかを仮定
・全体での年間消費枚数を計算
→ 日本の人口:約1億2,000万人
→ 赤ちゃんや高齢者などを除くと、ピザを食べるのは国民の70%程度と想定
→ 約8,400万人
→デリバリーピザ、冷凍ピザ、スーパーのチルドピザ、外食店のピザなど含む
→ピザ好きな人(全体の2割)は月1回、そうでない人(全体の8割)は年3回食べると想定
→0.2×12+0.8×0.3=4.8 全体平均で年4.8枚と仮定(2か月に1回ペース)
→8,400万人 × 4.8枚/年 =4億320万枚
結果から日本で消費されるピザの枚数は 4億320万枚と分かりました。
具体的なデータが見つかりませんでしたが、日本でのピザの市場規模は3000億円のようです。冷凍ピザの値段500円、その他のピザを1000円として1枚あたりの値段を750円とすると年間で4億枚が消費されていると考えられます。
フェルミ推定における最初のステップは、「いきなり正確な答えを出そうとするのではなく、筋の良い仮説を立てて、論理的に道筋をつくる」ことです。
✅重要な点として、複雑な問題をシンプルな要素に分解し、掛け算や足し算の形で表現することがあります。
■ 具体例:「日本で1年間に消費されるピザの枚数」
この問題をいきなり考えるのは難しいため、以下のように分解します:
年間のピザ消費枚数 = 日本の人口 × ピザを食べる人の割合 × 1人あたりの年間消費枚数
✅ここでのポイントは:
・「分母・分子・構造」に分けて考える(「どんな人が対象?」「その人はどれくらい使 う?」)
・「世帯単位」か「個人単位」か、どの粒度で考えるかを決める
・「曜日」「季節性」「外食 or デリバリー」など、変数になりうる視点を洗い出す
📝このように構造化をすることで、「曖昧な問い」から「扱いやすい式」に変換されます。
これにより、情報が揃っていなくても数字を仮置きして先に進めることが可能になります。また、面接や議論の場では、「筋が通っている」と評価されるポイントにもなります。
フェルミ推定のステップ2では、ステップ1で構造化したロジックに対して、現実的で納得感のある数字を仮置きし、概算を行います。
🌟ここで重要なのは、すべての数値を正確に知っている必要はなく、「ざっくりとした数値を、日常感覚と照らし合わせて仮定する」ことです。
例えば、日本の人口は1.26億人とされていますが、計算を簡潔にするために1億人と仮置きするなど、「10の位」で数字を捉えることがポイントです。
🗣️また、日々の生活の中で得られる感覚を活用して、「このくらいが妥当ではないか」と自信を持って数字を設定していく姿勢が大切です。
フェルミ推定は現実の答えに近い数値を求めるゲームではないです。知らない数字に対しても、身近な数字を置いて躊躇せず「私の身近にある〇〇から○○がこのくらいだとすれば」と置いてみることで、論理的な推論を前に進めることができます。
フェルミ推定の最後のステップは、算出した答えの妥当性を検証し、納得感のある説明ができるかどうかを確認するフェーズです。
✅ここでは、「本当にこの数字は現実と大きくズレていないか?」「仮定や構造に無理はなかったか?」という視点で、自分のロジックを再点検することが重要になります。
たとえば、先ほどの例で「日本で1年間に消費されるピザの枚数が約4億枚」と算出された場合、それが実際の市場規模や販売統計などと大きく乖離していないかを確認します。ここで正確なデータが手元になくても、「他の食品との比較」「コンビニ・ファストフード業界の感覚」「1日あたりの全国消費数に直してみる」などの方法で相対的に検証が可能です。
✅また他人に説明する場面(面接など)では、「なぜこの仮定を置いたのか」や「この前提を変えればどう結果が変わるか」といった、仮定の柔軟性や議論の余地を提示できると、思考の深さが伝わります。
単に「合っていそうだ」と言うのではなく、「○○という理由でこの数値を妥当と判断した」という明確な根拠を添えることが、説得力を高める鍵です。また他の求め方は何があるのかと複数式を上げなければいけないこともあるので、余裕がある場合は他の求め方の検討を付けておくことも大切です。
フェルミ推定は正確に数字を求めるものではなく、ゴールまでのロジックを図るものです。その上で面接官に突っ込まれるNG解答をいくつかご紹介します。
例:「日本の人口は1億人で、ピザはけっこう食べられていると思うので、1人年間10枚くらい食べる気がします。だから10億枚くらいですね。」
NG理由:
“けっこう”や“気がする”といった曖昧な表現で数字を仮置きしているため、説得力やロジックがまったく伝わりません。分からないことでも濁さずしっかり自分のスタンスを自分自身の考えや経験をもとに述べて、スタンスを取りましょう。
例:「たぶん10億枚くらいじゃないですかね。アメリカの消費量を見てもそれくらいな気がします。」
NG理由:
仮定や前提の構築がなく、推定プロセスを飛ばして感覚値のみで結論を出している。特に「気がします」で終わる回答は、論理的思考力の欠如と受け取られる。しっかり自分なりに式に落とし込んで、構造化することを意識しましょう。何も考えずにフレームワークに落とし込むのではなく、その選定理由もいえるようにしておいたほうがいいです。
例:「日本に1億人いて、1人あたり年間5枚なら…5000億枚ですね。」
NG理由:
単位や桁を間違えているにもかかわらず気づかず進めてしまうと、「数字感覚が弱い」と判断されます。暗算力よりも“桁の感覚”が問われています。数学が得意ではないかたは100万×10万=1000億のように、よく出てきて自分が解けない計算の答えを覚えておくことも大切です。
①【問題の性質に関する視点】
✅フェルミ推定は、そもそも「正解のない問い」に対して、限られた情報からおおよその値を推定するという思考プロセスを問う問題です。
したがって、正確な数値を導くこと自体が目的ではなく、「いかに現実的かつ納得感のある仮定を置けたか」「どのように全体を構造的に捉えたか」といった、推論の筋道に価値があります。つまり、フェルミ推定は“答えの正しさ”ではなく、“どのように考えたか”を見る問いであるため、出てきた数字の精度よりも、ロジックや構造が筋の通ったものであることが重要視されるのです。
②【評価される能力に関する視点】
✅企業、特にコンサルや総合商社といったロジカルシンキングを重視する職種では、フェルミ推定を通じて「前提を自分で置けるか」「構造的に物事を分解できるか」「仮定から答えを組み立てる力があるか」といった思考力を評価しようとしています。
したがって、正解にどれだけ近づいたかではなく、答えに至る過程の“構造的な組み立て方*や、仮定の妥当性や現実感に注目されます。面接官は、限られた情報の中でも論理的に筋道を立てて物事を捉えられるかどうかを見ており、そこに“筋の良さ”があるかを重視しています。
🌟フェルミ推定とは、限られた情報の中で論理的思考と常識を使い、数量を概算する手法であり、コンサルや商社の面接でよく出題されます。
就活では、論理的思考力・構造化力・数字感覚の3つが重視され、特に「筋の良い分解」と「桁感覚」が重要です。対策として、人口や市場規模など基礎的な数字を覚えておくと、推定のスピードと精度が格段に向上します。
実際の例題を通して仮定と計算の流れを練習することで、本番のフェルミ問題にも自信を持って臨めるようになるでしょう。フェルミ推定はケース面接以上に準備した分だけ上達します。今からしっかり準備して選考に備えましょう!
CaseMatchでは実際の企業選考で出された多くのケース面接過去問を無料で好きなだけ練習することができます。ケース面接の練習はフェルミ推定の向上に役立つこと間違いないです!
またケース特化型AIがあなたの回答を即時採点してくれるので、再現性高く効率的にケース面接を練習することができます。
ぜひCasematchでまずケース面接を解いてみて、何点取れるかを確認してみて下さい。
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