
コンサルタント
2026/10/19
戦略コンサルとは?仕事内容・総合やITとの違い・必要スキルを解説
目次
戦略コンサルは企業の経営判断と変革を支える仕事
経営者が何を選ぶべきかを考え、実行につなげる
総合・ビジネス・ITコンサルとの違いは課題と役割で見分ける
戦略コンサルとビジネスコンサルは主に扱う論点が違う
ITコンサルとの違いは技術を使うかではなく担う責任で見る
調査から提言と実行支援までの仕事内容を知る
成長戦略の案件では問いを立てて分析し、打ち手を絞る
戦略コンサルの成果物を意思決定につなげる仕事
資料や分析モデルの価値は顧客が次の行動を決められることにある
代表的なファームは会社名と募集職種をセットで調べる
戦略系ファームにも複数の職種と専門チームがある
AIを使う戦略コンサルとAIをつくる専門職は違う
分析ツールの活用とモデル開発では応募要件も役割も異なる
必要なスキルは論理的思考と周囲を動かす説明力
問いを構造化し、数字と対話で仮説を検証する力を磨く
やりがいだけでなく不確実な課題と高い品質要求も引き受ける
年収とキャリアは職位と役割を分けて確認する
社内での昇進と事業会社への転身では得たい経験が変わる
標準年収と基本給を分け、提示条件の内訳を見る
新卒・未経験から目指すなら応募要件とケース面接を確かめる
新卒は採用年度、中途は経験要件を先に確認する
ケース面接は正解の暗記より思考過程を伝える練習をする
戦略コンサルを目指す第一歩は職種確認と経験の棚卸し
気になる求人を一つ選び、仕事内容と自分の経験を照合する
「戦略コンサルに興味はあるけれど、実際に何をする仕事なのか分からない」と感じていませんか。 経営課題への関わり方から、総合・ビジネス・ITコンサルとの違い、必要なスキルや応募準備までを整理し、自分が目指す職種を選べるように解説します。
戦略コンサルは企業の経営判断と変革を支える仕事
経営者が何を選ぶべきかを考え、実行につなげる
戦略コンサルは、企業の重要な経営課題に対して調査・分析を行い、進む方向と実行方法を提案する仕事です。全社戦略、事業の成長、新規事業、事業ポートフォリオの見直し、買収判断など、企業の将来を左右するテーマを扱います。単に「売上を伸ばしましょう」と助言するのではなく、どこに資源を配分すればよいかを、根拠とともに示します。
例えば、あるメーカーが新しい市場への参入を考えている場面では、市場の成長性、競合、自社の強み、必要な投資を調べます。そのうえで「参入する」「既存事業を強化する」「他社と提携する」といった選択肢を比べ、経営者が判断できる状態にするのが役割です。答えが最初から決まっていない問いに、情報を集めながら向き合います。
用語の関係も押さえておきましょう。「戦略コンサルティング」は支援領域やサービスを指し、「戦略コンサルタント」はそれを担当する人、「戦略コンサルティングファーム」は支援を提供する組織です。求人では会社の分類より、担当者としてどの領域を担うかが応募判断に直結します。
マッキンゼーのBusiness Analyst求人では、担当領域を持ち、調査、データ分析、インタビューなどを通じて課題を解決し、戦略の改善や変革の実行も支援すると説明されています。仕事は提案書の作成で完結するわけではありません。(出典:Jobs | Careers | McKinsey & Company)
戦略コンサルの役割は、経営者の代わりに決定することではなく、経営判断の質を高めることです。採用する戦略を決める顧客に対し、判断材料と実行につながる支援を提供します。
日々の作業には資料作成やデータ整理も含まれますが、その目的は意思決定です。華やかな提言だけを想像するより、「不十分な情報から論点を絞り、他者が納得できる根拠を積み上げる仕事」と理解すると、入社後の業務を具体的に想像できます。
総合・ビジネス・ITコンサルとの違いは課題と役割で見分ける
戦略コンサルとビジネスコンサルは主に扱う論点が違う
戦略コンサルは経営判断や企業価値、ビジネスコンサルは業務・組織の変革に重心があります。「どの事業に投資するか」を考えるのが戦略寄り、「受注から納品までの業務をどう変えるか」を考えるのがビジネス寄りです。実際には、戦略の実行に業務改革が必要になるなど、支援範囲は重なります。
一方、「総合コンサル」は主にファームの事業範囲を示す言葉です。戦略、業務、ITなどを幅広く扱う会社の中にも戦略職があり、戦略コンサルと総合コンサルを完全な対義語として考えると求人を読み違えます。「会社がどこまで支援するか」と「自分が何を担当するか」は分けて見ましょう。
支援領域・職種 | 主に扱う問い | 業務の例 | 求人で見る欄 | 給与の公式例 |
|---|---|---|---|---|
戦略 | どこで成長し、何に投資するか | 成長戦略、事業ポートフォリオ、投資判断 | 戦略テーマ、担当領域、配属組織 | アクセンチュア2028年卒戦略職の予定標準年収754万円 |
ビジネス | 業務や組織をどう変えるか | 業務改革、組織変革、変革推進 | 改革対象、顧客との役割分担 | 同社2028年卒ビジネス職の予定標準年収663万円 |
IT | 技術を使って何を実現するか | IT戦略、要件定義、導入管理 | 技術領域、工程、必須経験 | 募集職種ごとの給与条件を確認 |
給与例は2026年8月時点の2028年卒入社者に対する予定額で、賞与・各種手当を含む理論値です。職種の募集例を比較するための情報であり、業界平均や他社の給与水準を示す数字ではありません。(出典:新卒採用 | アクセンチュア - Accenture)
応募先を選ぶときは、給与差より先に取り組みたい問いを決めるのがおすすめです。経営上の選択肢を比べることに関心が強いなら戦略職、現場の業務や組織を変える過程に関心が強いならビジネス職を起点にしましょう。「上流だから戦略が上」という序列ではなく、どの課題に責任を持ちたいかで判断します。
▼会社の支援範囲と職種の違いをさらに比較したい方は、業務・選考の違いまで確認できます
ITコンサルとの違いは技術を使うかではなく担う責任で見る
ITコンサルとの違いは、技術を扱うかどうかではなく、案件でどの責任を担うかで見分けます。戦略職もDXやAIを扱い、IT職もIT投資やシステムの将来像を考えます。「戦略は考えるだけ、ITはつくるだけ」という理解は実態に合いません。
アクセンチュアの金融領域のテクノロジーコンサルタント求人では、システム将来像の策定から、ビジネス・システム要件の定義、アーキテクチャの選定・設計、開発プロジェクト管理までが業務として示されています。IT職でも計画段階に関わる具体例です。(出典:テクノロジーコンサルタント(金融領域) - Accenture)
同じデジタル投資の案件でも、戦略職は「顧客価値と収益にどうつながるか」「何から投資するか」、IT職は「どのシステム構成で実現するか」「移行をどう管理するか」に力点を置くことがあります。求人の業務内容、配属組織、応募要件をセットで読み、関わる工程を確認してください。
IT経験者が戦略職を目指すなら、技術名だけでなく、技術を使って解いた事業課題を整理しましょう。「クラウド移行に参加した」から一歩進めて、なぜ移行が必要で、どの判断を担い、業務や事業にどう貢献したかを説明すると、経験の接点が見えてきます。

中途で職種を選ぶときは、これまでの経験をどの課題に生かせるかが出発点です。CaseMatchのAIキャリアアドバイザーなら、経歴を話しながら、自分に合う職種や使える経験を整理できます。

調査から提言と実行支援までの仕事内容を知る
成長戦略の案件では問いを立てて分析し、打ち手を絞る
戦略コンサルの仕事は、課題を分析できる問いに変え、選択肢を絞っていくことから始まります。代表的な案件には次のようなものがあります。
- 全社・事業戦略:成長の方向や資源配分を決めるための検討
- 新規事業:顧客課題、市場性、自社の強みを踏まえた事業構想
- ビジネスデューデリジェンス:買収対象の市場、競争力、成長性の調査
- オペレーション変革:戦略の実現に必要な業務や運営の見直し
ここでは、医療機器メーカーの成長戦略を編集上の架空例として考えます。以下の調査結果も説明用の仮定であり、実在企業の実績ではありません。顧客から「成長したい」と相談されたら、既存製品の需要、商談の成約、販売体制に問いを分け、成長の制約を探ります。
調べた結果、対象市場の需要は伸び、製品評価や価格には大きな問題がない一方、商談の失注理由は「故障時の対応が遅い」に集中していたとします。保守拠点のある地域では成約率が高く、拠点のない地域では低いという差も見つかりました。この場合、優先する論点は市場の開拓ではなく、保守への不安を減らせば既存の商談を受注に変えられるかです。需要不足より、販売を支えるサービス体制が制約という仮説を強める結果だからです。
まず推す施策は、商談が多い未対応地域での保守会社との提携です。拠点の自前新設より小さく試せるため、対応時間と成約率の改善を検証し、提携費用を差し引いて採算が合うかを確認します。広告増額は商談を増やしても失注原因を解消しないので後回し、新製品開発も現製品への評価が低くないため優先しません。海外進出は同じ保守上の弱点を持ち込む恐れがあり、国内での検証後に再検討します。
地域差だけでは保守が原因と断定できないため、顧客規模や営業担当者の違いも確かめます。試行で対応時間が短くなっても成約率が改善しなければ、価格や製品適合など別の失注要因に戻ります。こうして、調査結果から推奨案を選び、何が起きたら判断を変えるかまで示します。
若手は市場分析やインタビュー、分析モデル作成など、担当領域の問題解決を担います。マネジャーは一般に複数の分析を統合し、論点の優先順位、品質、顧客との議論、チーム運営を管理する役割です。案件の期間や作業日程はテーマと契約範囲によって変わります。
ベインのAssociate Consultant求人でも、市場規模推計、財務モデリング、シナリオ計画などを担当し、案件に応じて実行支援まで関わると説明されています。(出典:Associate Consultant - Bain & Company)
フレームワークは、調べるべき問いを整理する道具です。名称を覚えることより、その案件で何を確かめれば判断が変わるかを考えることが重要です。
提言後も、実行上のリスク管理や現場の能力構築を支援する場合があります。ベインのResults Delivery® Officeは、進捗管理だけでなく、リスクへの対応やコーチング、変化の定着を支援するサービスです。戦略職でも「どう実現するか」から離れられない理由がここにあります。(出典:Results Delivery® Office - Bain & Company)
戦略コンサルの成果物を意思決定につなげる仕事
資料や分析モデルの価値は顧客が次の行動を決められることにある
成果物の価値は、資料の枚数や見栄えではなく、顧客が次の行動を決められるかにあります。分析結果を並べるだけでは、投資すべきか、優先順位を変えるべきかという問いに答えられません。結論、根拠、実行条件を一つの流れにして説明する必要があります。
マッキンゼーの求人にはPowerPoint資料やExcelモデルなどを作成する能力が記載され、ベインの求人には市場規模推計や財務モデリングが担当業務の例として挙げられています。次の表の形式・分析は公式求人の記載に基づき、用途は仕事を理解するための編集上の説明です。(出典:Jobs | Careers | McKinsey & Company、Associate Consultant - Bain & Company)
成果物・分析 | 確かめる問い | 意思決定への使い方の例 |
|---|---|---|
市場規模推計 | どの程度の需要があるか | 対象市場を検討する |
Excel・財務モデル | どの条件なら収益が見込めるか | 投資案や撤退条件を比べる |
シナリオ分析 | 前提が変わると結果はどう変わるか | リスクと対応策を決める |
PowerPoint資料 | なぜその案を推奨するか | 経営会議で判断・合意形成する |
医療機器メーカーの架空例でも、市場が大きいことだけで参入を勧めるのは不十分です。製品開発の負担、販売網、導入後の保守、規制への対応を検討し、収益が成り立つ条件を示します。前提が変わった場合に結論がどの程度変わるかも、意思決定の材料です。
ここで区別したいのが、作成物と事業成果です。提案書を納品することと、顧客の売上や事業価値が改善することは同じではありません。担当者は、自分の分析がどの判断を支え、その判断を実行するために何が必要かまで説明する姿勢を求められます。
分析はできても、推奨案と理由を口頭でまとめる場面で詰まることがあります。考えを短時間で組み立て、相手の質問を受けて説明し直す練習が有効です。CaseMatchのAI面接では、面接官役のAIと対話しながら、提言を自分の言葉で伝える練習ができます。まずは下の成長戦略のお題で、分析から結論への接続を試してみてください。
▼医療機器メーカーの成長戦略を題材に、どの案を勧めるかを組み立ててみましょう

この例題は、打ち手を思いつくだけでなく、なぜその案を選ぶのかまで話す練習に使えます。CaseMatchで一度回答し、結論に至る説明を確認してみましょう。
AI採点つき
代表的なファームは会社名と募集職種をセットで調べる
戦略系ファームにも複数の職種と専門チームがある
会社名だけで仕事内容を決めつけず、募集職種と担当領域をセットで確認しましょう。代表的な戦略系ファームにはマッキンゼー、BCG、ベインがあり、総合ファームのアクセンチュアにも戦略職があります。同じファーム内でも、一般コンサル職と技術・分析の専門職では役割が異なります。
例えばマッキンゼーにはBusiness Analystに加え、デジタルコンサルタントやプロダクト、デザイン、技術領域の職種があります。デジタル採用情報では、デジタル関連案件の課題解決を担当する新卒のBusiness Analystも紹介されています。(出典:マッキンゼー・デジタル採用情報 | 日本 | McKinsey & Company)
BCGの職種紹介にはGeneralist、Expert、BCG X、Platinionがあり、幅広い課題解決、専門領域の支援、AI・デジタル製品、ITアーキテクチャなどの違いが示されています。ベインにも一般コンサル職のほか、AIや分析などを担うAISの専門チームがあります。(出典:Explore Consulting Career Opportunities | BCG Careers、AI Jobs - AI, Insights, & Solutions Careers | Bain & Company)
会社を調べたら、希望する国・採用区分での募集状況、配属組織、担当領域を確認してください。グローバルの職種紹介に載っていることと、日本でその職種を募集していることは別です。
▼候補企業の範囲を広げたい方は、ファームとシンクタンクの支援領域も比較できます
▼新卒で三大戦略ファームを志望する方は、各社の特徴と選考準備を整理しておきましょう
AIを使う戦略コンサルとAIをつくる専門職は違う
分析ツールの活用とモデル開発では応募要件も役割も異なる
AIを分析に活用する役割と、AIモデルや製品を開発する役割は分けて考えましょう。戦略職が生成AIを使うからといって、全員にモデル開発の専門性が求められるわけではありません。反対に、技術専門職も事業課題を理解する必要があり、ビジネスと無関係に開発だけを行う仕事ではありません。
ベインの一般職求人では、分析や意思決定を支えるツールに生成AIなどが含まれる場合があると説明されています。これは、問題解決の道具としてAIを利用する文脈です。(出典:Associate Consultant - Bain & Company)
一方、QuantumBlackのData Scientist求人では、顧客のビジネス課題を分析課題に変換し、モデルを構築して適切な指標で評価する業務が示されています。BCG XもAIモデルやデジタル製品の開発を担うチームとして紹介されています。こちらは設計・開発・評価そのものへの責任が大きい役割です。(出典:Jobs | Careers | McKinsey & Company、Explore Consulting Career Opportunities | BCG Careers)
応募先を選ぶときは、「何を成果として求められるか」「必須スキルは何か」「誰と協働するか」を読みます。幅広い経営課題の構造化や選択肢の評価に関心が強いなら一般コンサル職、モデルの精度や実装まで深く関わりたいなら専門職を優先して調べましょう。AIの知識を増やす前に、どちらの役割を目指すかを決めると、学習の優先順位が明確になります。
必要なスキルは論理的思考と周囲を動かす説明力
問いを構造化し、数字と対話で仮説を検証する力を磨く
必要なスキルは、曖昧な問題を分け、根拠を確かめ、他者に伝えて前に進める力です。論理的思考力という名前だけでは準備しにくいので、行動に置き換えましょう。
- 構造化:大きな課題を、調べられる論点に分ける
- 仮説検証:考えが正しい証拠だけでなく、反証も探す
- 定量分析:数字の出所、単位、前提、規模感を確かめる
- 説明:結論と理由を先に示し、相手の疑問に答える
- 協働:異なる意見を聞き、役割を調整して成果につなげる
マッキンゼーの面接案内では、曖昧な課題の構造化やデータの理解に加え、異なる意見の人との協働、困難な目標達成、リーダーシップ、変化への適応などが評価領域として示されています。頭の中で考える力と、人と進める力の両方が重要です。(出典:面接準備 | 日本 | McKinsey & Company)
新卒なら研究、部活動、インターン、中途なら業務改善や顧客折衝の経験から、「課題→判断→行動→結果」を一件整理してください。例えば「チームをまとめた」で終わらず、意見が割れた理由、比較した案、自分の働きかけを説明します。成果が大きいかだけでなく、自分がどう考えて動いたかが伝わる材料を選びましょう。
準備の出発点は、能力名の暗記ではなく、自分の行動を具体的に説明することです。仮説が外れた場面や意見が対立した場面も、再検討の過程を語れるなら強みの材料になります。
自分だけで回答を聞き返すと、「分かりやすく話せたつもり」で改善点を見落としがちです。評価の観点を使い、内容と伝え方を分けて振り返りましょう。CaseMatchのAI面接では、回答のスコアと改善点を確認できます。指摘された項目を一つ選び、次の回答で直す使い方がおすすめです。
資格取得を最初の目標にするより、応募先の要件確認を優先してください。英語や技術の必要水準も職種ごとに確認し、必須要件を満たす準備と補助的な学習を分けると、時間を使う順序を決めやすくなります。
やりがいだけでなく不確実な課題と高い品質要求も引き受ける
経営課題に関わるやりがいと、情報が足りない中でも判断材料をつくる難しさは表裏一体です。仮説が否定されれば分析をやり直し、数字や説明の不整合も修正します。自分の案に固執せず、検証と議論を重ねられるかが仕事との相性を考える材料になります。
働き方を知りたい場合は、面談で「業務量が増えるのはどんな局面か」「案件中の役割分担はどうするか」「レビューや相談の支援体制はどうなっているか」と聞いてみましょう。会社全体の印象だけでなく、希望するチームの実態を確認するのが有効です。
▼中途で仕事との相性を考える方は、向いている人の特徴を自分の経験と照合できます
中途の志望理由は、憧れだけでなく、これまでの強みをどの仕事に生かしたいかまでつなげると整理しやすくなります。CaseMatchのAIキャリアアドバイザーで、使える経験と職種選びの軸を言語化してみましょう。

年収とキャリアは職位と役割を分けて確認する
社内での昇進と事業会社への転身では得たい経験が変わる
キャリアを考えるときは、肩書より、次にどの責任を担いたいかを決めましょう。一般に若手は調査・分析や担当領域の問題解決から始め、経験を積むと案件とチームの管理、さらに顧客関係や事業への責任へと役割が広がります。職位名や昇進までの年数は各社で異なり、共通の年数で将来を計画するのはおすすめしません。
BCGの職種紹介でも、分析・調査や協働から、担当領域の問題解決、チーム・顧客案件の管理へと責任が広がる役割が説明されています。GeneralistとExpertなど、専門性の深め方が異なるキャリアもあります。(出典:Explore Consulting Career Opportunities | BCG Careers)
入社後の選択肢として、社内で専門領域を深めるほか、事業会社の経営企画・事業開発や起業なども検討できます。幅広い企業の課題を解くことと、一つの事業に継続して責任を持つことでは、得られる経験が違います。コンサルへの入社が、その後の転身先を保証するわけではありません。
例えば、提案した施策を自ら運営して成果まで追いたいなら、事業会社での役割にも関心が向くでしょう。多様な業界で経営課題を解き、チームを率いる経験を積みたいなら、ファーム内で責任を広げる道が合いやすくなります。転身先の名前より、担当したい仕事を基準に考えてください。
応募段階では、幅広い経営課題に触れたいなら一般コンサル職、技術や業界の専門性を深めたいなら専門チームをまず検討しましょう。面談では案件への配属方法、専門領域の選び方、育成や評価の仕組みを質問すると、希望する経験を積めるかを判断しやすくなります。
標準年収と基本給を分け、提示条件の内訳を見る
年収は、固定の基本給と、賞与・手当などの条件を分けて読みます。アクセンチュアの戦略職の新卒募集例を使うと、次のように確認できます。
確認項目 | 公式募集例の内容 | 読み方 |
|---|---|---|
年額基本給 | 550万9,000円 | 手当等を含まない基準給与 |
個人・法人業績賞与 | 標準年収の理論値に含む | 支給・算定条件を確認する |
各種手当 | 標準年収の理論値に含む | 自分に適用される条件を確認する |
金額の時点 | 2026年8月時点の2028年卒支給予定額 | 入社時の条件を再確認する |
上表は同社の募集例で、制度改定等による変更の可能性も示されています。(出典:新卒採用 | アクセンチュア - Accenture)
中途では、オファーの職位、基本給、賞与の算定、手当を照合しましょう。総額だけで比較せず、自分の条件で支給される部分を確かめることが重要です。
新卒・未経験から目指すなら応募要件とケース面接を確かめる
新卒は採用年度、中途は経験要件を先に確認する
準備に入る前に、応募できる採用区分と要件を確認してください。新卒と中途では、最初に照合する項目が違います。
区分 | 先に確認する欄 | 準備する材料 |
|---|---|---|
新卒 | 対象卒業時期、応募資格、締切 | 学生時代の課題解決・協働経験 |
中途 | 募集職種、経験要件、応募区分 | 職務上の判断、行動、成果 |
BCGは2028年新卒の応募資格を公式ページで案内しています。中途では、マッキンゼーがテクノロジー、金融、医療など多様な領域の経験者を歓迎しています。業界未経験と、職務経験がないことは別です。(出典:2028年新卒採用情報 (国内大学/大学院在学中の方) | Japan | BCG Careers、経験者採用 | 日本 | McKinsey & Company)
▼中途で未経験から応募する方は、現在の経験を強みに変える準備を確認しましょう
ケース面接は正解の暗記より思考過程を伝える練習をする
ケース面接では、結論を暗記するより、問いを確認して分析し、考えを伝える練習を優先しましょう。BCGは思考プロセスや戦略的アプローチ、説得力のある解決策を重視し、前提確認、構造化、数値分析、対話を案内しています。マッキンゼーも曖昧な課題の構造化やデータの理解、施策の提示を評価します。(出典:BCG の面接プロセス | Japan | BCG Careers、面接準備 | 日本 | McKinsey & Company)
飲食業界の市場規模推定を具体化するため、ここでは「架空の人口10万人の市にある、店内飲食のランチ専門店全体の年間売上」に対象を絞ります。持ち帰りや夕食は除き、来訪者と市外への流出は無視する設定です。以下は推定手順を示すための仮定で、実際の市場データや企業の出題ではありません。
供給側からは「店舗数×一日当たり客数×客単価×営業日数」で考えます。生活圏を10地区に分け、各地区に対象店が10店あるとして100店。典型店を20席、昼の営業中に平均2回転すると置けば一日40人です。定食一食を想定して客単価1,000円、週休一日程度として年間300日営業とすると、100店×40人×1,000円×300日=年間12億円になります。席数と回転数を分ければ、客数をどのように置いたかも説明できます。
需要側では「人口×年間利用回数×一回の支出額」で照合します。住民一人当たり、対象のランチ店を月1回使うと仮定すると、10万人×12回×1,000円=年間12億円です。この頻度は未利用者も含む平均で、例えば半数が月2回、残りが利用しない姿を想定しています。仮定を同じ答えに合わせるのではなく、それぞれの利用像から独立に置くことが検証の条件です。
二つの式が近くても正しさは保証されません。例えば需要側を平均月3回と考えるなら36億円となり、供給側と3倍ずれます。そのときは対象店の数え漏れ、回転数や稼働率、利用頻度に対象外の業態を含めていないかを見直します。平日と休日の違い、市外からの利用も確認対象です。ずれを平均して消すのではなく、どの前提が不自然かを説明して修正するのが大切です。
ケース面接は、答えを一度言って終わる試験ではなく、対話の中で考えを進める場です。新しい情報が示されたら、どの前提や結論を変えるかを説明してください。
練習は「初回回答→振り返り→再回答」の順で行います。最初は声に出して最後まで回答し、その後で前提の抜け、論点の重複、計算、結論を点検します。再回答では一つの改善点を意識すると、読み直すだけより変化を確認しやすくなります。市場規模推定は定量分析の練習ですが、成長戦略などでは打ち手の比較や実現性も必要です。
解き方を読んでも、相手の質問に合わせて考え直す練習は不足しがちです。同じお題で回答を振り返り、説明の組み立て方を比較すると改善点を見つけやすくなります。CaseMatchでは、他ユーザーの回答や高評価の解答例を確認できます。自分の回答を一度つくってから、構造や根拠の違いを比べてください。
▼飲食業界の市場規模推定で、前提確認から結論まで声に出して練習できます
選考は応募先の案内を優先し、書類では経歴との適合、適性検査では基礎能力、経験面接では過去の判断や協働、ケース面接では問題解決の過程を準備します。具体的な形式は募集ごとに確認しましょう。
▼中途の選考準備を進める方は、難易度に対してどの対策を優先するかも整理できます

中途のケース対策でも、前提と計算を相手に説明する練習は基本になります。CaseMatchの市場規模推定のお題で、初回回答を試してみましょう。
AI採点つき
戦略コンサルを目指す第一歩は職種確認と経験の棚卸し
気になる求人を一つ選び、仕事内容と自分の経験を照合する
最初にやることは、公式求人を一件読み、担当したい課題と自分の経験を照合することです。職種名だけでなく、担当領域、求める成果、応募要件を確認しましょう。そのうえで、課題解決の経験を一件整理し、ケース問題を一問、声に出して解いてみてください。
経営上の選択肢を比べる仕事に関心が明確なら、戦略職の応募準備を進めます。技術の設計・開発や導入への関心が強いなら、IT職や専門チームも比較しましょう。「有名な会社に入りたい」から「この課題に、この経験を生かしたい」へ進めることが、職種選びと面接準備の第一歩です。
中途で応募職種や準備の順序に迷うときは、自分の経歴を言葉にするところから始めると整理できます。CaseMatchのAIキャリアアドバイザーで、経験に合う職種と使えるエピソードを相談してみましょう。

著者
畑中 翼
Senior Managerフジクラで研究開発・新規事業開発に従事した後、アクセンチュア、デロイト、イグニション・ポイント、ADLでコンサルティングを経験。現在はSenior Managerとして転職支援を担当。製造業・R&D領域に強みを持ち、QUNIE Award 2024優秀個人賞、外資就活ネクストAランクの実績を持つ。
監修者
小野 孝之
CaseMatch株式会社 CSO早稲田大学大学院卒業後、デロイト トーマツ コンサルティングを経て、アクセンチュアにてマネージャーを務める。現在はCaseMatchのCSO兼エージェントHeadとしてハイクラス層の転職を支援。エージェントとしては、ビズリーチSランク、外資就活ネクストAランクの実績を持つ。
面接練習で、選考を有利に進めよう。
1分で完了









