
ケース面接
2026/09/08
ローランド・ベルガー ケース面接対策|売上向上ケースの解き方と選考準備
目次
ケース面接で評価されるのは結論までの思考プロセス
構造化して重要な課題を絞り込む力
根拠を示しながら施策を優先順位付けする力
面接官との対話で仮説を更新する姿勢
選考フローの中でケース面接に備えるタイミング
新卒と中途で異なる応募条件と選考の入口
中途採用で案内されている書類選考から複数回のケース面接まで
ケース面接の前に確認したい募集要項と応募後の案内
新卒と中途で準備の軸をどう変えるか
新卒は専門知識より論理性と課題に向き合う姿勢を示す
中途は経験を使いつつ前提を置き直す
売上向上ケースで出るテーマと取り組む順番
小売業界の売上向上で顧客数と客単価を分解する
飲食業界の売上向上で席数と回転率から考える
交通機関の売上向上で需要と供給制約を確かめる
実際のお題で声に出して考える
売上向上ケースを解くための6ステップ
ゴールと制約を確認して議論の範囲をそろえる
売上ドライバーを業態に合わせて構造化する
仮説を置き、優先して深掘りする論点を決める
ボトルネックから施策を導き効果と実現性で比べる
最優先施策とその理由を結論ファーストで伝える
面接官との議論を通じて仮説と提案を修正する
小売業界の売上向上を例に一問を通して考える
問題文を受けて前提と目標を確認する
客数と客単価を分けて原因仮説を立てる
原因から施策を導き、優先順位をつける
面接官の指摘を受けて優先施策を絞り直す
実行方法とKPIまで示して最終提案にする
CaseMatch高得点者の回答に学ぶ思考プロセス
飲食業界の売上向上で最初に置いた論点
深掘りの質問を受けて仮説をどう修正したか
回答から再現したい進め方
本番で考えを伝えるための練習方法
結論から構造と根拠を伝える話し方
一問ごとに別の仮説と優先論点でも考え直す
思考時間が終わっても分析がまとまりきらないときの伝え方
評価を下げやすい失敗と直し方
型を当てはめただけで施策を並べる
論点を並べただけで優先順位を決めない
面接官の指摘を受けても最初の仮説に固執する
ローランド・ベルガーのケース面接では、知識量よりも、限られた時間で論点を整理し、根拠を持って提案を組み立てる力が問われます。
この記事では売上向上ケースを中心に、選考の位置づけから一問を通した考え方、本番で伝わる話し方までを解説します。
ケース面接で評価されるのは結論までの思考プロセス
ローランド・ベルガーのケース面接で評価される中心は、もっともらしい施策を多く出すことではなく、課題を構造化し、重要な論点を選び、根拠とともに結論へ進むプロセスです。公式の面接Tipsでも、市場規模推計や売上・利益改善を通じて思考力とコミュニケーション力を見ると説明されています。(出典:Tips & Tricks | Roland Berger)
構造化して重要な課題を絞り込む力
売上向上と聞いて、広告、値引き、新商品、出店を順番に並べ始めるのは避けましょう。面接官が知りたいのは施策の数ではなく、なぜ今その論点を見るのかです。まず売上を「客数×客単価」のように分け、業態に合わせて客数も分解します。小売なら来店者数×購買率、飲食なら席数×回転数、宅配なら注文者数×注文頻度×1注文あたり点数、といった具合です。
次に、分けた要素を均等に扱わず、影響が大きく、原因である可能性が高く、短時間で検証できるものを選びます。たとえば既存顧客の利用頻度が落ちているなら、新規出店より「どの顧客が、どの利用場面で離れたのか」を先に確かめるほうが筋が通ります。構造化はフレームワークを披露するためではなく、どの論点を優先して考えるかを決めるための土台です。
分解した後はすべてを均等に見るのではなく、インパクトや原因である可能性を踏まえて優先論点を一つ決めます。例えば、競合出店後に既存客の利用頻度が落ちていると考えるなら、「今回は客数、その中でも既存客の頻度を優先して見ます」とスタンスを取ります。
公式も、解決策へ急がずに環境と課題を多面的・構造的に整理し、重要度の根拠を示すことを勧めています。自分の分解に自信がなくても、「売上を二つに分け、まず変動余地が大きい客数を見ます」と宣言してから進めれば、議論の土台を共有できます。
▼構造化の基本と、論点を漏れなく置くための考え方を先に整理したい方はこちらです
根拠を示しながら施策を優先順位付けする力
施策は「良さそう」ではなく、どの売上ドライバーをどれだけ動かすかで比べます。たとえば小売店の既存客の購買率が課題なら、レジ前の関連提案、欠品の削減、会員向けクーポンは候補になります。基本は「インパクト×実現可能性」で比較し、必要に応じて実行スピードや副作用も確認します。
比較する観点 | 面接で確認する問い | 優先しやすい施策の例 |
|---|---|---|
インパクト | どの変数がどれだけ動くか | 購買率に直結する欠品削減 |
実現可能性 | 現場・システムで実行できるか | 既存アプリでのクーポン配信 |
実行スピード | 効果検証まで何週間か | 一部店舗での売場変更 |
副作用 | 値引きで利益やブランドを損なわないか | 値引きよりセット提案 |
原因に直接効き、十分なインパクトが見込める施策を優先します。そのうえで実現可能性が同程度なら、短期間で検証できる施策を先に試す、という考え方ができます。大きな投資を伴う新規出店やシステム刷新は、仮説の確度が上がってからで構いません。売上増だけを語ると利益や運用負荷を見落とすため、「粗利を保てるか」「現場の手間は増えないか」まで一言添えてください。
面接官との対話で仮説を更新する姿勢
面接官からの質問は、必ずしも「正しい情報」を与えるためのものではありません。「なぜそう考えたのか」「他の可能性はないか」「その施策は本当に効くのか」と、候補者の仮説や優先順位を深掘りするために投げられることも多くあります。指摘を受けたら防御せず、どの変数を置き直すかを言葉にします。「ご指摘のとおり、法人需要の頻度を置けていません。定例会議と研修に分けて再計算します」と返せば、考え直す力を示せます。
選考フローの中でケース面接に備えるタイミング
ローランド・ベルガーでは、ケース面接は選考の後半だけに突然現れる試験ではなく、書類通過後から継続して準備すべき評価の場です。公式には新卒・中途ともに、書類選考の後に適性検査等を経て複数回のケース面接を実施すると案内されています。(出典:Job: 2027年卒新卒通年採用 Junior Consultant | Roland Berger)(出典:中途採用 | Roland Berger)
新卒と中途で異なる応募条件と選考の入口
新卒の現行募集では、Junior Consultantとして日本語または英語のレジュメを提出し、学歴情報の記載が求められています。書類審査、Web適性検査、複数回のケース面接が選考方法です。応募対象の卒業年度や職歴要件は募集ごとに変わるため、応募前に求人票で確認しましょう。(出典:Job: 2027年卒新卒通年採用 Junior Consultant | Roland Berger)
中途の現行求人はConsultant/Senior Consultantで、経験に応じてポジションを決定する形です。個別求人には実務経験とビジネスレベルの英語力が示されているため、FAQの一般的な条件だけで判断せず、応募するポジションの要件を優先してください。(出典:Job: キャリア採用 Consultant/Senior Consultant | Roland Berger)
区分 | 選考の入口 | ケース面接でつなげる材料 |
|---|---|---|
新卒 | レジュメ・Web適性検査 | 論理性、好奇心、粘り強く課題に向き合う姿勢 |
中途 | 職務経歴・書類選考、筆記または録画面接 | 実務で得た視点を仮説に使い、前提を検証する力 |
中途採用で案内されている書類選考から複数回のケース面接まで
中途採用では、応募書類を受領後に書類選考が行われ、通過者に筆記試験または録画面接、その後の複数回のケース面接が案内されます。職歴・志望動機の確認とケースを別物として準備すると、面接で一貫性がなくなります。自分の実績を説明する際も、「課題をどう分解し、どの数字を見て、何を優先したか」を話せるようにしておくと、ケースの思考法と接続できます。(出典:中途採用 | Roland Berger)
準備開始は書類通過の連絡後では遅めです。書類作成と並行して、週に2〜3問、時間を測って口頭で解く習慣を作ってください。ケースは複数回あるため、最初の面接だけを乗り切る暗記型の対策では続きません。
▼中途ケース面接で問われることを、選考全体の流れから確認したい方はこちらです
ケース面接の前に確認したい募集要項と応募後の案内
募集要項の対象年度、職種、言語要件、提出書類を確認したうえで、書類通過後に届く形式・日時・接続方法の案内を読み込みます。面接は応募者の状況に応じてオンラインまたはオフラインで調整されます。(出典:Job: 2027年卒新卒通年採用 Junior Consultant | Roland Berger)
新卒と中途で準備の軸をどう変えるか
共通して必要なのは、知らない業界でも構造を作り、根拠を添えて対話する力です。そのうえで新卒はポテンシャル、中途は経験の使い方に準備の重心を置きます。
新卒は専門知識より論理性と課題に向き合う姿勢を示す
新卒に経営の専門知識は必須ではありません。公式FAQでも、論理的思考力、好奇心、課題を解決しようとする気概を重視すると示されています。(出典:FAQ | Roland Berger) 知らない数字を知ったかぶりで置くより、生活実感や処理能力から数字を作る姿勢を見せましょう。
中途は経験を使いつつ前提を置き直す
中途は自分の業界経験を使って構いません。ただし「前職ではこうだったから」と結論に飛ぶのは危険です。対象企業の顧客、商流、制約が違う可能性を認め、「経験上この仮説を置くが、今回は確認が必要です」と切り分けると、経験が思い込みではなく仮説の材料になります。
売上向上ケースで出るテーマと取り組む順番
ローランド・ベルガーの練習お題には、小売、飲食、交通機関の売上向上があります。業界名を覚えるのではなく、業態ごとの売上がどの制約で決まるかを掴むと、初見のお題にも対応できます。

小売業界の売上向上で顧客数と客単価を分解する
小売の売上は、来店者数×購買率×客単価で考えると、施策の行き先が明確になります。来店者数が少ないなら商圏認知や来店動機、購買率が低いなら売場導線・品ぞろえ・欠品、客単価が低いなら関連購買や上位商品の選ばれ方を疑います。
ここで「近くに競合店ができたから」と一つの原因に固定しないでください。曜日、時間帯、会員と非会員、目的買いとついで買いに分ければ、どこで落ちているかの仮説が立ちます。たとえば夕方だけ購買率が低いなら、広告よりもレジ待ち、欠品、惣菜の陳列量が原因かもしれません。
小売のケースでは、客数を一つの数字として扱わず、来店と購買を分けることが重要です。
原因仮説が変われば、打ち手も集客から店舗運営へ変わります。
▼売上向上ケースを過去問形式で追い、分解から提案までのつながりを確認するならこちらです
飲食業界の売上向上で席数と回転率から考える
飲食店では、売上を席数×回転数×客単価で置けます。席数を増やせない店なら、予約枠、提供時間、会計待ち、時間帯別の空席に着目します。客単価を上げるときも、単純な値上げより、セット提案や注文しやすい追加商品で粗利を保てるかを検討してください。
交通機関の売上向上で需要と供給制約を確かめる
交通機関では利用者数×平均運賃を起点にし、混雑する時間帯は輸送能力が制約になります。ピーク時に利用者を増やす施策より、閑散時間帯の需要創出、定期外利用、沿線施設との連携を考えるほうが現実的な場合があります。需要側と供給側の両方を見て、説明しやすい側から仮説を置きましょう。
実際のお題で声に出して考える
以下の3問は、業態ごとの構造を比べながら練習できます。答えを見る前に、二分間で式と優先論点を口に出してください。
▼ローランド・ベルガーの売上向上ケースに取り組む
売上向上ケースを解くための6ステップ
売上向上ケースは、前提確認から結論の伝達までを一続きに扱います。順番を固定しておくと、初見の業界でも施策の羅列に流れません。
ゴールと制約を確認して議論の範囲をそろえる
最初に確認するのは「何の売上を、いつまでに、どの程度伸ばすのか」です。全社売上なのか国内既存店なのか、短期なのか三年後なのかで答えは変わります。さらに、利益を犠牲にしてよいか、新規出店や値上げが可能か、対象顧客は誰かを短く聞きます。
質問は多すぎると準備不足に見えるため、答えに効くものを二つか三つに絞りましょう。情報が与えられなければ、「国内既存店、1年以内、粗利率を大きく下げない前提で進めます」と仮定を宣言します。仮定は正解を当てるものではなく、面接官と同じ地図を持つためのものです。
ゴール、対象、期間、制約をそろえたうえで課題を構造化すると、その後の原因分析から施策評価まで一貫した議論がしやすくなります。
前提は最初から完璧に決めるものではありません。議論の中で新しい論点に気づいた場合は、必要に応じて前提や仮説を修正します。
売上ドライバーを業態に合わせて構造化する
続いて売上を式にし、さらに説明できる変数まで分けます。小売で「客数を増やす」とだけ言うのではなく、商圏人口、来店率、時間帯別の来店余地、購買率に分けます。飲食なら席数、回転数、稼働率、客単価。宅配なら配達可能件数と注文頻度のどちらが制約かを見ます。
業態 | 基本構造 | 主な深掘り論点 | 仮説の例 |
|---|---|---|---|
小売 | 来店者数×購買率×客単価 | 来店頻度、欠品、導線、関連購買 | 夕方の欠品で購買率が低下 |
飲食 | 席数×回転数×客単価 | 席稼働率、回転率、注文構成 | ピーク以外の稼働率が低い |
交通 | 利用者数×平均運賃 | 時間帯、目的、輸送能力 | 閑散時間帯の利用が弱い |
構造化の目的は、細かい式を作ることではありません。売上を左右しているレバーを明確にし、どこを優先して深掘りするかを決めることです。
例えば小売で「来店者数×購買率×客単価」と分けたなら、すべてを同じ深さで分析するのではなく、「短期で売上を伸ばすならどの変数に改善余地がありそうか」という仮説を置きます。必要な場面で定量化する場合も、数字そのものより、その数字が論点の優先順位や施策判断にどう使われるかを意識しましょう。
▼ケース面接の全体の進め方を、時間配分も含めて確認したい方はこちらです
仮説を置き、優先して深掘りする論点を決める
構造を作ったら、「既存客の来店頻度低下が主因ではないか」のように仮説を置きます。仮説は正解を当てるためではなく、限られた時間でどの論点から議論を進めるかを決めるために置くものです。
すべての論点を同じ深さで検討するのではなく、売上へのインパクト、原因である可能性、自社で動かせる余地などから優先順位をつけます。面接官から追加情報がなくても、複数の仮説を並べたまま止まらず、「今回はこの理由から○○を主因と考えます」と自分なりのスタンスを取って進めましょう。
その後、面接官から「なぜそう考えるのか」「他の原因はないか」と深掘りされた場合は、仮説の根拠を説明し、必要に応じて修正します。
ボトルネックから施策を導き効果と実現性で比べる
原因仮説が「夕方の欠品によって購買率が落ちている」なら、発注精度の改善、補充時間の見直し、欠品時の代替提案など、原因に直接働きかける施策を考えます。ここで分析と関係なくSNS広告や新規出店へ飛ばないことが重要です。
複数の施策が出たら、まず「どれだけボトルネックを改善できるか」というインパクトと、「現場で実行できるか」という実現可能性で比較します。必要に応じて、実行スピード、コスト、副作用も確認し、最優先施策を一つ決めます。
最優先施策とその理由を結論ファーストで伝える
最終提案では、まず「何を最優先するか」を言い切り、その後に「なぜそれが最も効くと考えるのか」「どのように実行するか」「何をKPIとして検証するか」「主なリスクは何か」を簡潔に説明します。
例えば、「最優先は夕方の欠品改善です。購買率低下の主要因と考えており、既存の発注・補充オペレーションの変更で実行可能だからです。まず一部店舗で試し、購買率・粗利・廃棄率を確認したうえで拡大します」とまとめます。
売上が増えても値引きや廃棄によって利益が悪化する可能性があるため、必要に応じて粗利や運用負荷まで確認します。
面接官との議論を通じて仮説と提案を修正する
ケース面接では、一度出した仮説や施策を最後まで守る必要はありません。面接官から「なぜ欠品を優先したのですか」「価格の影響はありませんか」「発注量を増やすと廃棄が増えませんか」と聞かれたら、自分の考えの根拠を説明したうえで、妥当な指摘であれば仮説や提案を修正します。
面接官が必ずしも正解につながる追加情報を持っているとは限りません。むしろ、「なぜそう考えたのか」「他にないか」と候補者のスタンスを深掘りする形で議論が進むこともあります。
最初の回答を守ることではなく、自分でスタンスを取り、その根拠を説明し、議論を通じてより良い結論へ更新できることが重要です。
1分で完了
小売業界の売上向上を例に一問を通して考える
ここでは「小売業界の売上向上」を例に、課題を構造化し、仮説にスタンスを取り、原因から施策へつなげるまでの流れを見ていきます。重要なのは模範解答を覚えることではなく、なぜその論点を優先し、なぜその施策を選ぶのかを説明できることです。
問題文を受けて前提と目標を確認する
まず「国内の既存店舗の売上を一年で伸ばす」「大幅な出店や利益を大きく損なう値引きは行わない」と前提を置きます。対象業態や商圏など、結論に大きく影響する条件だけを必要に応じて確認し、情報がなければ自分で妥当な前提を宣言して進めます。
前提確認に時間を使いすぎず、ケースの本題である「どこに改善余地があり、何を優先するか」の議論へ移ることが重要です。
客数と客単価を分けて原因仮説を立てる
売上を「来店者数×購買率×客単価」に分解します。今回はこのうち購買率を優先して考えます。既存店では商圏人口や店舗数を短期で大きく変えるのは難しい一方、購買率は品ぞろえ、欠品、売場導線など店舗運営によって改善できる余地があると考えるためです。
もちろん、この時点で購買率が真の原因だと分かっているわけではありません。限られた時間で議論を進めるための初期仮説としてスタンスを取っていると考えてください。
購買率低下の原因としては、品ぞろえ、欠品、価格、売場導線、レジ待ちなど複数の可能性があります。すべてを並行して深掘りするのではなく、例えば夕方の利用が多い店舗であれば、「需要が集中する時間帯に主要商品が欠品し、購入を諦める顧客が増えているのではないか」と仮説を置きます。
ここで重要なのは、面接官から「欠品が原因です」という情報を待つことではありません。「夕方は需要が集中するため欠品が起きやすく、購買率への影響も直接的だと考えるため、まずここを優先します」と理由を示してスタンスを取ります。
面接官から「なぜ価格ではないのですか」と聞かれた場合は、その理由を説明し、価格影響の方が大きいと判断できる材料があれば仮説を修正します。
原因から施策を導き、優先順位をつける
欠品が主要因だと仮説を置いたなら、動かすべきレバーは「主要商品の欠品率」です。そこで、第一に需要予測と発注量の見直し、第二に補充タイミングの改善、第三に欠品時の代替商品提案などを考えます。
ここでも施策を多く出すことが目的ではありません。原因に直接効くか、売上へのインパクトが大きいか、実行可能かという観点から優先順位をつけます。
例えば、まずは発注・補充の改善を最優先とし、代替商品提案を補助施策として位置づけます。前者は欠品そのものを減らし、後者は欠品が発生した場合の購買離脱を抑えるためです。
「集客が足りない」と決めず、入店から購入までのどこで落ちるかを確認します。
原因に対応した施策だけを出すので、提案の根拠がぶれません。
必要なデータを考える場合は、仮説を検証するために何を見ればよいかを明確にします。今回なら、時間帯別の入店者数、購入者数、主要商品の欠品状況が分かれば、購買率低下と欠品の関係を確認できます。
ケース面接では実際のデータが与えられないこともあります。その場合も、「この仮説を検証するなら何を見るか」を説明できれば、議論を前へ進められます。
面接官の指摘を受けて優先施策を絞り直す
面接官から「発注量を増やすと廃棄が増えないか」と指摘された場合は、当初案に固執せず、「欠品率だけでなく廃棄率も評価指標に入れ、需要予測の精度が高い商品群から試します」と提案を修正します。
ここで重要なのは、指摘されたから意見を変えることではありません。当初の施策にどのような副作用があるかを理解し、目的を維持したまま実行方法を改善することです。
実行方法とKPIまで示して最終提案にする
最終提案では、施策だけでなく、どこから実行し、何をKPIとして成否を判断するかまで示します。今回であれば、夕方の欠品が多い店舗から発注・補充改善を試し、購買率、粗利、廃棄率を確認する方法が考えられます。
小規模検証が適している場合は一部店舗から始めればよいですが、ケースによっては全社施策をすぐ実行すべきこともあります。重要なのは、実施範囲そのものではなく、なぜその実行方法を選ぶのかを説明できることです。
▼小売以外のケースにも応用できる、議論のコツを確認するならこちらです
CaseMatch高得点者の回答に学ぶ思考プロセス
CaseMatchのAI面接で高得点だった「飲食業界の売上向上」の回答から、論点の置き方と指摘を受けた後の直し方を見ていきます。これは実在企業の選考を再現した記録ではなく、AI面接での回答ログです。
▼同じお題を受けてから、以下の回答を読んでみてください
飲食業界の売上向上で最初に置いた論点
回答者は顧客を複数の層に分け、売上のレバーを置いてから、法人利用という利用シーンに着目しました。
「お客さんの種類としてはtoCではファミリー層とパーティーをしたい若年層、そしてtoB、いわゆる法人の3つがあるかなと考えています」
良い点は、最初から施策名を言わず、顧客を分けたことです。誰の利用を増やすのかが決まれば、注文頻度、注文点数、意思決定者という確認すべき論点が見えてきます。一方で宅配ビジネスでは「回転率」より、注文頻度や配達可能件数に置き直すと、事業構造により合います。
深掘りの質問を受けて仮説をどう修正したか
面接官から法人利用の頻度を問われた後、回答者は定期契約と社内イベントへの展開を考えました。
「定例会議・研修・歓迎会など複数シーンに横展開して頻度を積み上げる」
深掘りに対して法人の課題へ答え直そうとした点は前進です。より良くするには、「対象企業数×一社あたり月間イベント回数×一回の注文額」と置き、頻度が売上に足りるかを先に示します。また決裁者への価値は、SNS認知ではなく、手配の簡便さ、請求の一本化、定時配送といった運用便益から組み立てるべきです。
回答から再現したい進め方
この回答から再現したいのは、完璧な最初の仮説ではなく、指摘を受けて論点を具体化する進め方です。
- 顧客を分けて、優先する利用シーンを選ぶ
- 売上レバーを業態に合う変数へ置き直す
- 頻度を「対象数×発生回数」で作る
- 決裁者の価値を、価格以外の運用面でも示す
CaseMatchでは、AI面接で質問に答えた後に評価と改善点を確認できます。独学で「この仮説でよいのか」と止まりやすい人は、指摘を受けてその場で修正する練習に使ってください。高評価の回答例と比べることで、抜けた前提にも気づけます。
1分で完了
本番で考えを伝えるための練習方法
本番では、頭の中で考えられていても、論点の順番が伝わらなければ評価されにくくなります。まず現時点の結論や仮説を示し、その後に構造と優先順位の理由を説明する習慣をつけましょう。

結論から構造と根拠を伝える話し方
「売上向上には既存客の購買率改善を優先します。売上を来店者数、購買率、客単価に分けた結果、短期で動かせるのが購買率だと考えるためです。まず夕方の欠品を検証します」と話せば、面接官は現在地を把握できます。計算を始める前にも、式と数字を置く根拠を宣言してください。
2026年9月5日時点で、ローランド・ベルガーのお題に取り組んだCaseMatch利用データでは、10回以上の別のお題を解いた層の基準到達率は56.3%、1回目の層は49.5%でした。難易度の平均は両層でほぼ同程度であり、複数のお題を通して練習している人ほど、基準に達している傾向があります。これは因果を示す数字ではありませんが、初見問題を一問だけ解いて終わらせない理由になります。
CaseMatchは、時間を測りながらAI面接官に口頭で答え、スコアと改善点を受け取れるため、話す順序の崩れを確認するのに向いています。ノート上のきれいな分解を、制限時間内に説明する練習へ変えましょう。
▼まずは別の業態のお題で、結論から話す練習を始める
一問ごとに別の仮説と優先論点でも考え直す
一問解いたら、模範解答や施策を覚えるのではなく、「別の原因仮説を置いたらどうなるか」を考え直してください。
例えば小売ケースで購買率を優先したなら、「実は来店者数の減少が主因だったら何を見るか」、欠品を原因と考えたなら、「価格や売場体験が原因なら施策はどう変わるか」と考えます。
練習で身につけたいのは一つの正解ではなく、構造化したうえでスタンスを取り、別の可能性を指摘されたときに仮説を更新する力です。別のお題でも同じ思考プロセスを再現できるか確認しましょう。
▼本だけでなく、実際に口頭で解く前に補助線を増やしたい方はこちらです
思考時間が終わっても分析がまとまりきらないときの伝え方
思考時間が終わった時点で、すべての原因分析や施策まで整理できていないこともあります。その場合に、無理に完成した回答を作る必要はありません。
「現時点では購買率低下が主要因ではないかと考えています。売上を○○と分解し、その中でも△△を優先したいです。まずこの仮説からご説明します」
のように、現在の仮説と優先論点を明示して議論を始めます。
ケース面接では、最初から完成した答えを持っていることよりも、自分の現在地を共有し、面接官との対話を通じて考えを前へ進めることが重要です。
1分で完了
評価を下げやすい失敗と直し方
ケース面接での失敗は、知識不足よりも、考え方を途中で止めてしまうことで起こります。直すべき行動を具体的に押さえましょう。

型を当てはめただけで施策を並べる
4Pや3Cを使っただけでは、重要な原因を選んだことになりません。施策を出す前に「売上低下の主因は何か」という仮説を置き、原因から施策を引き出してください。分析と無関係な打ち手は、数が多くても提案の強さになりません。
論点を並べただけで優先順位を決めない
客数、客単価、競合、商品、店舗運営などを網羅的に挙げても、どこから見るかを決めなければ議論は前に進みません。
構造化した後は、インパクト、原因である可能性、自社で動かせる余地などを踏まえ、「今回は○○を優先します」とスタンスを取ります。仮説が外れていた場合はその後の議論で修正すればよく、複数案を並べたまま止まることの方が問題です。
面接官の指摘を受けても最初の仮説に固執する
面接官から指摘を受けたら、何を指摘されているのかを捉え、前提、原因仮説、優先論点、施策のどこを修正すべきかを考えます。
ただし、質問されるたびに簡単に意見を変えればよいわけではありません。自分の仮説に理由があるならまず説明し、そのうえで指摘の方が妥当だと判断した場合に更新します。自分のスタンスを持ちながら、より良い議論へ修正できることが重要です。
著者
畑中 翼
Senior Managerフジクラで研究開発・新規事業開発に従事した後、アクセンチュア、デロイト、イグニション・ポイント、ADLでコンサルティングを経験。現在はSenior Managerとして転職支援を担当。製造業・R&D領域に強みを持ち、QUNIE Award 2024優秀個人賞、外資就活ネクストAランクの実績を持つ。
監修者
山岡 直登
Director銀行法人営業、JAC Recruitment、パーソルキャリアでのRPO・企業人事を経て、フォルトナにてコンサル転職支援に従事。現在はCaseMatchのDirectorとして人材紹介を担当。ビズリーチSランク、新興系コンサルティングファーム年間Award 2025の実績を持つ。
面接練習で、選考を有利に進めよう。
1分で完了








