
コンサルタント
2026/08/06
選考プロセス全体の流れ
ケース面接が行われる職種
サービスラインとセクターによるケース面接の違い
EYのケース面接の特徴は?
何を数えるのかを自分で決められるか
前提を揺さぶられても組み直せるか
施策が実行できるかまで語れるか
EY固有の評価軸:パーパスを回答にどう反映するか
よくある出題パターンと過去問・例題15問
難易度と他のBig4との違い
中途入社者向けの対策法
事前準備の基本:ケースの型と解答フレーム
実務経験をどう論理的に語るか
失敗しがちなパターンと注意点
【実例紹介】CaseMatch高得点者の回答に学ぶ思考プロセス
ポイント①:「業界」を数えられる対象に言い換える
ポイント②:結論の数字を最初に言う
ポイント③:別の切り口で桁を確かめる
この回答から学べること
よくある質問
Q1. EYSCの中途採用では、必ずケース面接がありますか?
Q2. ケース面接は何分くらいで、どんな形式ですか?
Q3. 他のBig4と併願するとき、志望動機はどう分ければよいですか?
まとめ|EY中途のケース面接は"推定の根拠×パーパスとの接続"がカギ
EYストラテジー・アンド・コンサルティング(EYSC)の中途採用でケース面接を受けると、市場規模の推定や事業課題のお題に答えたあと、置いた数字の根拠や施策が実行できるかをじっくり聞かれます。ケースが出るかどうか、どの面接で出るかは応募するポジションによって変わります。
この記事では、EYの公式の採用情報と転職者の体験談をもとに、選考の流れと過去問・例題15問を整理しました。後半では、CaseMatchのAI面接に集まったEY向け例題の得点データを他のBig4と比べ、100点を取った回答の進め方を紹介します。
EY Japanの選考についてのページでは、応募後、ポジションの要件に合う場合に面接に進むと説明されています。職種によっては選考課題の提出やオンラインの適性試験があり、面接は対面、電話、ビデオのいずれかで行われます。
段階 | 内容 | 中途で意識すること |
|---|---|---|
① 書類選考 | ポジションの要件との照合 | 担当した範囲と、自分が動かした数字を書いておく |
② 適性試験・選考課題(職種による) | オンラインの適性試験。体験談では玉手箱の報告がある | 計数の形式に一度慣れておく |
③ 面接(2〜3回が多い) | 経歴の深掘り、志望動機、ケース面接 | ケースがどの回で出ても答えられるようにしておく |
④ 内定・オファー | 条件の提示と確認 | 配属のサービスラインとセクターを確認する |
ケース面接の形式は公表されていませんが、転職者の体験談を読むと、おおむね次のような形で行われています。
項目 | 体験談で多かった内容 |
|---|---|
ケースが出る回 | 2次面接が多い。1次面接だけ、最終面接だけという報告もある |
面接1回の時間 | 45分〜1時間 |
面接官 | 1名が多い。マネージャーからパートナーまで |
進み方 | 前半で経歴と志望動機、後半でケース。ケースのあとに面接官との議論 |
実施方法 | オンラインの報告が多い |
サプライチェーン領域の転職者の例では、1次面接はパートナーとの45分のオンライン面接で、経歴の質問だけでした。最終面接はシニアパートナーとの60分で、前半20分がチームの紹介と経歴、残りでケースが出ています。経歴の話に時間を取られてケースが短くなることもあるので、結論から短く話す練習をしておきましょう。

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EYSCの会社紹介ページでは、事業が5つのサービスラインに分けて紹介されています。中途の求人もこの単位で出ているため、どこに応募するかで面接官の専門と、ケースで深掘りされる点が変わります。
サービスライン | 公式サイトで紹介されている主な領域 | ケースで準備しておきたいこと |
|---|---|---|
ストラテジー・アンド・トランスフォーメーション | 成長戦略、新規事業、M&A、DXの戦略策定と、実行のための組織再編や業務変革 | 市場の大きさと自社の強みから、どこで伸ばすかを決める |
M&A(トランザクション・アンド・コーポレート・ファイナンス) | M&A戦略の立案、相手先の探索、対象企業の調査とバリュエーション、条件交渉 | 買収や参入の判断を、市場規模と収益の数字で説明する |
テクノロジー | 技術戦略から導入支援、新しい技術の活用まで | システムの話を、業務とKPIがどう変わるかまでつなげる |
ピープル | 人事・組織変革の戦略立案から実践まで | 施策を、誰がどう動けば回るかという組織の話に落とす |
リスク | 経営方針やデジタル戦略に関わるリスクへの対応 | 施策で増えるリスクを挙げ、対応の優先度をつける |
どのサービスラインでも、ケースで使う考え方の土台は同じです。違いが出やすいのは深掘りの中身で、M&Aなら数字の根拠、テクノロジーなら導入の順番、ピープルなら現場の負荷、と面接官が自分の仕事に近い角度から聞いてきます。
CaseMatch の AIキャリアアドバイザーなら、これまでの業務を話しながら、応募するサービスラインと自分の経歴が重なる部分を整理できます。

EYSCには、サービスラインとは別にセクター(業種)の切り口があります。会社紹介ページには、テクノロジー・メディア・テレコム、自動車・運輸・製造・化学、消費財・小売流通、公共・社会インフラ、医薬・医療、エネルギーや商社、金融サービスなどが並んでいます。
同じストラテジーの面接でも、担当するセクターによってお題の舞台が変わります。体験談でも、物流業界の出身者には宅配トラックの台数、商社の出身者には農業用トラクターの市場規模、サプライチェーンの担当チームではコロナ禍で影響を受けたサプライチェーンが出ており、前職や応募先の業種に寄せたお題が目立ちます。
応募先のセクター | 想定しておきたいお題の舞台 | 意識したい制約 |
|---|---|---|
自動車・運輸・製造 | 物流や交通の規模、サプライチェーンの見直し | 供給の安定とコストのどちらを優先するか |
医薬・医療 | 医薬品やドラッグストアの市場規模 | 高齢化による需要の変化、規制 |
消費財・小売流通 | 生活必需品や飲食の市場規模、売上の伸ばし方 | 客数・頻度・単価のどこを動かすか |
公共・社会インフラ、エネルギー | 社会課題型のお題、エネルギー事業 | 住民や事業者など関係者の多さ、費用対効果 |
中途の場合、求人票のセクターと前職の業界が重なっていることが多いはずです。自分の経験を、機能(戦略、M&A、IT、人事、リスク)と業種の両方から一言で言えるようにしておくと、ケースのあとの経歴の質問にもつながります。
EYのケース面接では、数字をどう作ったかと、その提案が現場で回るかがよく聞かれます。体験談には、推定のあとに「EC市場の伸びをどう考えるか」「農業の大規模化はどう影響するか」と前提を揺さぶる質問が出てきます。
EYの中途のお題は、市場規模や台数の推定が多いのが特徴です。最初に見られるのは、お題を受けてすぐに数字を置かず、何を数えるのかを決められるかどうかです。宅配トラックの台数なら、大手の宅配業者だけか軽貨物まで含めるのか、稼働中の車両だけを数えるのかで、式も答えも変わります。
対象を決めたら、式を口に出してから数字を入れます。「荷物の個数÷1台が1日に運ぶ個数」のように、なぜその式にしたのかを一言添えると、面接官が後の議論でどこを突けばよいかが見えます。
推定を終えると、面接官は前提を変えてきます。宅配トラックの体験談では「EC市場の成長を考えていない」と指摘され、年10%の成長を加えて推定し直しています。農業用トラクターでは、大規模化が進むと市場がどう変わるかを聞かれ、今後10年の見通しまで議論が広がりました。
こうした質問は、答えの正しさを確かめるものではありません。どの変数を変えれば結論が動くかを、その場で示せるかを見ています。式を分けておけば、どの前提を聞かれても、その変数だけを置き直して計算し直せます。
▼構造化の基本とケース面接の考え方を先に押さえたい人はこちら
事業課題のお題では、施策を挙げたあとに「それは実現可能か」と聞かれます。サプライチェーンの体験談では、影響を受けたサプライチェーン、解決策、その実現可能性の3段で問いが続いています。EYSCは戦略の策定から実行のための組織再編や業務変革までを担う会社なので、提案が現場で回るかをよく見ています。
実現可能性を聞かれたら、誰が担い、どのくらいの費用と期間がかかり、何が障害になるかを短く答えましょう。調達先を増やす案なら、品質の確認にかかる期間と、取引先との交渉の手間まで触れると現実味が出ます。
EYは「Building a better working world」をパーパスに掲げ、日本語では「より良い社会の構築を目指して」と表しています。EY Japanの面接のヒントでも、面接の前にEYの成長計画、重視している分野、サービスライン、価値観を知ることが最初に挙げられています。
ただし、ケースの答えの中でパーパスの言葉をそのまま唱える必要はありません。反映させたいのは、議論の最後に置く一段の視点です。ケースで結論を出したあと、その施策が顧客や取引先、地域、働く人にどう影響するか、長く続けられるかを一言添えます。
お題 | ケースの結論 | パーパスを反映した一言 |
|---|---|---|
コロナ禍で影響を受けたサプライチェーンの立て直し | 調達先を複数にし、在庫の持ち方を見直す | 中小の取引先に負担を押しつけない進め方にしないと、次の危機で供給が止まる |
オリンピックのメダル数を増やす | 伸びしろのある競技に強化費を寄せる | 選手の引退後のキャリアや地域の指導者まで含めないと、強化が一代で終わる |
医薬品・ドラッグストアの市場規模 | 約10兆円と推定 | 高齢化で需要は伸びるが、地方では店舗の維持が課題になる |
この一言は、ケースの議論を広げすぎない程度に短く入れるのがコツです。面接官から「社会的な影響はどう考えるか」と聞かれる前に自分で触れられると、EYで働く姿を想像してもらいやすくなります。
転職者の体験談に出たお題と、CaseMatchで練習できるEY向けの例題を合わせて15問にまとめました。ケース・フェルミ推定が9問、ケースと同じ面接で聞かれる人物面の質問が6問です。
No. | お題・質問 | 種類 | 出どころ |
|---|---|---|---|
1 | 現在稼働している宅配業者のトラック台数を推定してください | フェルミ推定 | 体験談(2次面接、物流業界出身) |
2 | 農業用トラクターの日本市場規模を推定してください | 市場規模 | 体験談(2次面接、商社出身) |
3 | オリンピックのメダル数を増やすにはどうすればよいか | ビジネスケース(社会課題) | 体験談(2次面接、スポーツ業界出身) |
4 | コロナ禍で影響を受けたサプライチェーンは何か。解決策は何か。それは実現可能か | ビジネスケース | 体験談(最終面接、サプライチェーン領域) |
5 | その課題の解決のしかたは、他の会社でも通用するか | 実務ケース | 体験談(1次面接、サプライチェーン領域) |
6 | 医薬品業界の市場規模推定 | 市場規模 | CaseMatchの例題 |
7 | 交通業界の市場規模 | 市場規模 | CaseMatchの例題 |
8 | 生活必需品の市場規模推定 | 市場規模 | CaseMatchの例題 |
9 | 飲食業界(フードデリバリー)の市場規模推定 | 市場規模 | CaseMatchの例題 |
10 | なぜEYなのか。なぜ他のファームではないのか | 志望動機 | 体験談(1次面接、戦略コンサルタント) |
11 | EYの強みや、他のコンサルとの違いをどう理解しているか | 企業理解 | 体験談(戦略コンサルタント) |
12 | 最も難しかった仕事と、そこで工夫したこと | 経歴の深掘り | 体験談(1次面接) |
13 | 他部署や社外とどう連携したか。社外とのやり取りで気をつけていることは | 経歴の深掘り | 体験談(1次面接) |
14 | そのプロジェクトの背景と、費用対効果をもう少し詳しく | 経歴の深掘り | 体験談(最終面接) |
15 | 数年後にどうなっていたいか(キャリアビジョン) | 志望動機 | 体験談・CaseMatchの例題 |
No.1〜2とNo.6〜9のように、数えるお題が多いのがEYの特徴です。CaseMatchのEY向け練習問題7問のうち4問もフェルミ推定で、売上向上が中心のデロイトやKPMGの例題とは傾向が違います。
No.5とNo.14は、自分の仕事がそのままお題になる中途ならではの質問です。前職の数字と、うまくいった理由を一度整理しておきましょう。

代表的なパターンを2つ紹介します。
■業界の大きさを数える市場規模推定(例:医薬品業界の市場規模推定)
例題:医薬品業界の市場規模を推定してください。
出題傾向:
評価されるポイント:
■前提を揺さぶられる事業課題(例:コロナ禍のサプライチェーン)
例題:コロナ禍で影響を受けたサプライチェーンを挙げ、解決策を提案してください。
出題傾向:
評価されるポイント:
こうしたパターンは、読んで理解するだけではなかなか身につきません。声に出して式を立て、深掘りに答えるところまで一度やってみてください。
▼ 出題パターン別・おすすめの練習問題
▼フェルミ推定の解き方を先に確認したい人はこちら
EYSCは、ケース面接の通過率も選考全体の倍率も公表していません。難しさの目安として、CaseMatchのAI面接のデータを紹介します。EY中途の例題「医薬品業界の市場規模推定」は、平均点が54点(100点満点・654回答)です。
得点帯 | 回答数 |
|---|---|
90〜100点 | 28 |
80〜89点 | 40 |
70〜79点 | 79 |
60〜69点 | 96 |
50〜59点 | 127 |
40〜49点 | 108 |
30〜39点 | 105 |
20〜29点 | 46 |
10〜19点 | 21 |
0〜9点 | 4 |
80点以上は654回答のうち68回答で、全体の約1割です。60点未満は411回答で、6割を超えます。数字を置くこと自体はできても、何を数えるかを決めないまま計算を始めたり、出した答えを検算せずに終わったりする回答が多く、そこで点が伸びません。
同じAI面接で、他のBig4の中途向け例題と比べると次のとおりです。
ファーム | 例題 | 平均点(回答数) | 80点以上の割合 |
|---|---|---|---|
EYSC | 医薬品業界の市場規模推定 | 54点(654) | 約10% |
デロイト トーマツ コンサルティング | 交通機関の売上向上 | 52点(822) | 約9% |
KPMGコンサルティング | サービス業の売上向上 | 60点(196) | 約25% |
PwCコンサルティング | 製造業界の売上向上施策 | 39点(1,104) | 約5% |
お題の種類が違うので、点数だけで選考の難しさを比べることはできません。それでも、他の3社の例題がいずれも売上向上なのに対して、EYは市場規模の推定で80点以上が1割にとどまります。EYの準備では、数える対象の決め方と検算に時間を割くと効率がよいということです。
点数以外の違いとして、EYSCは戦略とM&Aのサービスラインを同じ会社に持っています。デロイトやKPMGではコンサルティングとM&Aのアドバイザリーが別会社に分かれているため、EYでは戦略の面接でも市場規模や収益の数字から投資の判断を説明する場面が出やすくなります。他のBig4と併願する人は、この点を「なぜEYか」の材料にもできます。
AI採点つき
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EYの中途のケース面接では、根拠のある数字で考える力と、前職の実務を踏まえた現実的な提案の両方が求められます。ここでは、ケースの型、実務経験の語り方、つまずきやすい点の順に整理します。

市場規模の推定でも事業課題でも、最初の1分で対象をそろえ、式や論点を示してから数字に入ると安定します。
段階 | 面接で行うこと | 発言例 |
|---|---|---|
対象の定義 | 何を数えるか、範囲と期間を決める | 「国内のドラッグストアの年間売上として考えます」 |
式の提示 | 説明できる変数に分ける | 「人口×1人あたりの年間購入額で出します」 |
数字を置く | 身近な事実から根拠を作る | 「月に数回、1回2千円前後の買い物と置きます」 |
検算 | 別の切り口で桁を確かめる | 「店舗数×1店舗の売上でも同じ桁になるか見ます」 |
示唆 | 数字から言えることと今後を話す | 「高齢化で伸びるが、地方の店舗維持が課題です」 |
事業課題のお題でも流れは同じで、対象の定義が前提の確認に、式の提示が論点の分解に変わるだけです。最後の示唆の段で、先に紹介したパーパスの一言を添えます。
EYの中途面接では、体験談のNo.5のように「その解決のしかたは他の会社でも通用するか」と、自分の経験をケースのように扱われることがあります。面接のヒントでも、成功した理由、自分の貢献、うまくいかなかった場面への対処、結果を、事実や数字を使って示すよう勧めています。
ステップ | 整理する内容 |
|---|---|
課題と状況 | どんな課題に、なぜ取り組んだか |
仮説と根拠 | そのときに置いた仮説と、根拠にした数字 |
結果と再現性 | 何が変わったか。条件が違う会社でも通用する部分はどこか |
たとえば「調達先が1社に偏っていた部品について、停止した場合の影響額を試算し、2社目を半年で立ち上げた。他社でも、影響額で優先順位をつける手順は使える」のように、数字と手順、通用する範囲をセットで話せると、実務とケースの考え方がつながっていることが伝わります。
CaseMatch の AIキャリアアドバイザーにこれまでの業務を話すと、課題、仮説と根拠、結果の形で、ケースで使えるエピソードを整理できます。
EYのケースで点を落としやすいのは、推定の前提を聞かれて答えに詰まる場面です。よくあるつまずきを表にまとめました。
失敗パターン | よくあるNG例 | 改善策 |
|---|---|---|
数える対象を決めずに計算する | 「医薬品業界」のまま数字を置き始める | 最初に、何の何年分を数えるかを一文で言う |
検算をしない | 出た数字をそのまま答えて終わる | 供給側など別の切り口で桁を確かめる |
実現可能性を聞かれて止まる | 「できると思います」と答えて終わる | 担い手、費用、期間、障害を順に言う |
パーパスを唱えるだけになる | 「より良い社会のために」で施策の説明を済ませる | 誰にどう影響するかを具体的に一言で添える |
中途特有:前職のやり方に固執する | 「前職ではこれでうまくいった」と押し切る | 業界の違いを踏まえ、今回の情報で仮説を確かめ直す |
▼ケース面接のNG例をより詳しく知りたい方はこちら
ここで扱うのは、CaseMatchのAI面接で100点を取った「医薬品業界の市場規模推定」の回答です。実際の選考の記録とは別物で、AI面接で同じお題に挑戦した回答ですが、EYのケースで使える進め方が出ています。
「本ケースでは、日本におけるドラッグストアの年間市場規模をフェルミ推定で推定したい」
なぜ良いのか:
お題は医薬品業界でしたが、100点の回答はどちらも最初に「日本のドラッグストアの年間市場規模」と数える対象を決め直しています。製薬会社の出荷額、病院の薬、ドラッグストアの売上のどれを数えるかで、式も答えも変わります。地域、売り場、期間の3つを一文で決めたことで、後の計算と議論がぶれなくなっています。
「はい、私の方からは、日本におけるドラッグストアの年間市場規模を約10兆円と推定…」
なぜ良いのか:
説明の前に約10兆円という答えを示しているので、面接官は式のどこを確かめればよいかがすぐに分かります。オンラインの面接では考えている様子が伝わりにくいので、結論の数字、式、置いた前提の順で話すと、途中で質問されても戻る場所がはっきりします。
この例題の採点では、式を先に立てること、前提の根拠を身近な数字から作ること、答えの妥当性を別の切り口で検算することの3点を見ています。上位の回答の続きは練習を終えると読めますが、検算は自分でもすぐに試せます。
たとえば需要側から、人口1億2千万人×1人あたり年間8万円で約9.6兆円と出したとします。供給側から、店舗数2万店×1店舗の年間売上5億円と置くと約10兆円です。2つの切り口で同じ桁になれば、答えに自信を持って議論に入れます。ここで使った数字はすべて説明のための仮定なので、本番でも仮定であることを断ってから使いましょう。
今回の高得点回答と採点のポイントをまとめると、次のとおりです。
学びのポイント | 内容 |
|---|---|
数える対象を言い換える | 地域、売り場、期間を一文で決める |
結論の数字を先に言う | 答え、式、前提の順で話す |
前提に根拠を添える | 人口や購入頻度など身近な数字から作る |
別の切り口で検算する | 需要側と供給側で桁がそろうか確かめる |
体験談に出た宅配トラックや農業用トラクターのお題も、この4つで解けます。あとは推定のあとに来る「今後どう変わるか」という質問に備えて、市場が伸びる理由と縮む理由を1つずつ言えるようにしておきましょう。
必ずあるわけではありません。EY Japanの選考についてのページでも、選考課題や適性試験は職種によるとされています。体験談でも、ケースが2次面接で出た人、最終面接で出た人、経歴の質問だけだった人がいるので、出る前提で準備しておくと安心です。
体験談では面接1回が45分〜1時間で、前半に経歴と志望動機、後半にケースという流れが多く見られます。面接官は1名で、オンラインの報告が多くなっています。
応募するサービスラインとセクターを先に決め、その組み合わせがEYでしかできない理由を探すのが近道です。戦略とM&Aが同じ会社にあること、セクターの切り口で組織ができていることは公式サイトで確かめられます。そこに自分の経験と、パーパスへの具体的な共感をつなげましょう。
▼職務経歴の整理から始めたい人はこちら

EYSCの中途のケース面接では、市場規模や台数を推定する問題が多く、置いた数字の根拠と、前提を変えられたときの組み直しが問われます。応募先のサービスラインとセクターによって、お題の舞台や深掘りの角度も変わります。
チェック項目 | 押さえるべき内容 |
|---|---|
応募先の確認 | 5つのサービスラインとセクターのどこに応募するかで、お題と面接官の視点が変わる |
形式 | 面接は45分〜1時間、後半にケース。2次面接で出る例が多い |
頻出テーマ | 市場規模や台数の推定、業種に寄せた事業課題、自分の仕事を題材にした実務ケース |
推定の進め方 | 数える対象を決め、結論、式、前提の順に話し、別の切り口で検算する |
パーパスの反映 | 結論のあとに、誰にどう影響し長く続けられるかを一言添える |
ケース面接は短期間でうまくなるものではありませんが、対象を決め、根拠のある数字を置き、検算してから議論に入る流れはどのお題でも同じです。まずはEY中途を想定した例題を1問解いて、平均点の54点と自分の点数を比べてみてください。AI面接官の深掘りに答えたあとは、上位者の回答も読めます。
AI採点つき
著者
早稲田大学大学院卒業後、デロイト トーマツ コンサルティングを経て、アクセンチュアにてマネージャーを務める。現在はCaseMatchのCSO兼エージェントHeadとしてハイクラス層の転職を支援。エージェントとしては、ビズリーチSランク、外資就活ネクストAランクの実績を持つ。
監修者
フジクラで研究開発・新規事業開発に従事した後、アクセンチュア、デロイト、イグニション・ポイント、ADLでコンサルティングを経験。現在はSenior Managerとして転職支援を担当。製造業・R&D領域に強みを持ち、QUNIE Award 2024優秀個人賞、外資就活ネクストAランクの実績を持つ。
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