
ケース面接
2026/09/11
ADL中途ケース面接対策 完全版|出題例・評価基準・解き方を徹底解説
目次
ADL中途採用におけるケース面接の位置づけ
選考プロセス全体の流れ
よくある出題パターンと例題
売上向上ケース(例:地方食品スーパーの立て直し)
事業性・実行可能性を問うケース(例:地方交通機関の黒字化)
ADLのケース面接の特徴とは?
知的好奇心:答える前に問いを掘り下げる力
論点を重複なく整理し優先順位を置く力
数字を意思決定に使う力
結論を提案として伝え切る力
中途入社者向けの対策法
事前準備の基本:ケースの型と解答フレーム
実務経験をどう論理的に語るか
失敗しがちなパターンと注意点
フレームワークを当てはめるだけで仮説がない
根拠のない数字や施策の列挙で終わる
最初の答えに固執して議論が止まる
CaseMatch高得点者の回答に学ぶ交通機関の売上向上の思考プロセス
お題を確認して論点を切り分ける進め方
指摘を受けて前提を修正し結論を更新する進め方
まとめ|ADL中途のケース面接は"問題解決の進め方"がカギ
ADL中途採用におけるケース面接の位置づけ
ADLの中途ケース面接では、知識量や暗記したフレームワークだけでは通用しません。問われるのは、曖昧な課題をどう定義し、数字と仮説を使って、相手と議論しながら実行可能な提案へ進めるかです。
ADLが見るのは、最終数値をぴたりと当てる力ではなく、未知の問題を自力で前に進めるプロセスです。公式のケース面接案内では、知的好奇心、クリティカルシンキングと主体的な問題解決、データ活用と迅速・正確な計算、自信を持った解決策の提示を評価要素に挙げています。(出典:ケース面接 | Arthur D. Little)
この記事では公式情報に沿って評価基準を整理し、売上向上ケースの考え方から本番での話し方、練習の進め方までを解説します。
まずは1問から
選考プロセス全体の流れ
ADL中途採用の基本的な選考フローは以下の通りです(ポジションや時期により変動あり)。
- 書類選考(CVを一つの電子ファイルにまとめて提出)
- Webテスト
- 複数回のケース面接(+ビヘイビア面接)
- ジョブ
- 最終面接
領域 | 用意するもの | 面接での使い方 |
|---|---|---|
ケース | 分解の型、計算メモ、提案の型 | 初見問題で思考過程を示す |
経験談 | 課題、自分の行動、成果、学び | 主体性と協働の再現性を示す |
志望動機 | 現職課題、ADLで実現したいこと、接点 | 転職理由を前向きに接続する |
時事 | 関心業界の変化と自分の見立て | 問題意識の深さを示す |
ケース面接とビヘイビア面接は、複数回の面接の中で組み合わせて実施されます。
CaseMatchでは、ケース形式の問いに加え、経験や志望動機の深掘りを声に出して練習できます。 どちらか一方だけを仕上げても、選考全体では説得力が弱くなるため、書類提出前から両方を並行して準備しておくと安心です。
1分で完了
よくある出題パターンと例題
ADLのケースでは、数字を使った定量分析と、事業として成立させる実行可能性の両方を問う出題が多い傾向があります。代表的な2パターンとその例題を紹介します。
売上向上ケース(例:地方食品スーパーの立て直し)

例題:
地方都市の駅前にある食品スーパーが、売上を一年で伸ばす施策を検討しています。前提条件を確認したうえで、売上向上のための分析と提案をしてください。
出題傾向:
- 顧客数×購入頻度×客単価のような要素分解から、ボトルネックとなる変数を絞り込ませる出題
- 既存顧客の離脱と新規顧客の獲得のどちらを優先すべきかを、仮説をもって切り分けさせる出題
評価されるポイント:
- 前提条件(対象顧客、期間、優先指標)を明確にしてから分析に入れるか
- 施策の実現可能性(インパクト・実現可能性・優先順位)まで踏み込めるか
事業性・実行可能性を問うケース(例:地方交通機関の黒字化)
例題:
地方の赤字路線バス会社が、黒字化に向けた施策を検討しています。コスト削減と収益源の多角化の両面から、具体的な打ち手を提案してください。
出題傾向:
- 需要側(対象人口・利用率)と供給側(車両・運行本数)の両方から数字の根拠を作らせる出題
- 反論や追加条件(高齢者の利用減など)に対して、前提を修正しながら結論を更新できるかを問う出題
評価されるポイント:
- コスト削減と収益多角化のような、二、三の軸に整理して提案できるか
- 指摘を受けた際に、懸念を認めつつ限定条件や代替案を出せるか
CaseMatchでは上記のような出題パターンに対応したケース問題で、AIと対話しながら面接練習ができます。まずは1問試してみてください。
▼ 出題パターン別・おすすめの練習問題
ADLのケース面接の特徴とは?
公式情報から読む4つの評価ポイントを押さえておくと、初見のお題でも何を見せればよいかがぶれません。
知的好奇心:答える前に問いを掘り下げる力
たとえば「地方の小売店の売上を伸ばせ」と出されたら、地域、顧客、対象期間、売上と利益のどちらを優先するのかを確認します。質問は時間稼ぎではなく、打ち手を変える変数を見極めるために行います。
論点を重複なく整理し優先順位を置く力
売上なら顧客数と客単価、利益なら売上とコストに分けたうえで、「今回は既存顧客の来店頻度が最も効くと仮説を置きます」と宣言してください。面接官は網羅的な単語の列挙ではなく、限られた時間で優先順位を置く判断を見ています。
数字を意思決定に使う力
公式のケーススタディでも、必要な情報を質問し、仮説を立て、途中の計算を追える形で構造化する流れが示されています。数字を置く際は「来店客数を直接置く」のではなく、席数やレジ処理能力、営業時間など説明できる変数へ分解します。
結論を提案として伝え切る力
施策の名前だけで終わらず、誰に、何を、なぜ優先するのか、次に何を検証するのかまで述べます。ADLの公式教材も、最終提案では構造化、簡潔かつ正確な表現、次のステップ、明確な結論、重要な事実による裏付けを求めています。
中途入社者向けの対策法
事前準備の基本:ケースの型と解答フレーム

問いを言い換え、前提を確認する
最初に行うべきは、問題文を復唱することではなく、解くべき意思決定を一文に翻訳することです。その後、対象顧客、地域、期間、利益との優先関係、既存施策など、答えを変える条件だけを聞きます。
手順は次の通りです。①問いを言い換える、②ゴールと評価指標を確認する、③不足情報を二、三点に絞って聞く、④合理的に仮定してよい範囲を確認する、⑤考える時間と発表の順序を共有する、⑥構造を提示する、⑦最後に提案と次の検証を述べます。
質問を連発して面接官から材料を集め切ろうとしないでください。情報が与えられない場合は、自分で前提を仮定して先に進みます。仮定を明示すれば、面接官も修正できます。
例:「地方の小売店の売上を上げる」という問いなら、「既存店の年間売上を、ブランド毀損を避けながら伸ばす施策を提案する問題、と理解しました」と置き直します。情報が不足していれば、「地方都市の駅前店、主顧客は近隣住民、短期で改善可能な既存店施策を対象と仮定します」と自分で前提を置きます。
構造化して仮説を宣言する
構造化では、フレームワーク名を言うより、結果を決める要素を自分の言葉で分けます。大事なのは、分けた直後に仮説を置くことです。仮説が外れても減点ではありません。外れたときに、どこを見直すかが明確になるからです。売上向上ケースでは、既存顧客の離脱確認を先に置くのが定石です。新規獲得は広告費がかかり、効果が出るまで時間もかかります。
例:売上向上なら「売上を顧客数×購入頻度×客単価に分け、まず顧客数の落ち込みを確認します」のように始めれば十分です。「駅前で競合が増えた設定なので、新規顧客の減少より既存顧客の離脱が主因ではないかと考えます。来店頻度と離脱理由から見ます」と宣言します。
▼構造化の型を増やしたいときは、フレームワークを目的別に使い分ける解説を参照してください
需要側・供給側から数字の根拠を作る
数字は精密な予測のためでなく、優先順位を決めるために置きます。需要側では「誰が、どれくらいの頻度で、いくら払うか」、供給側では「店や乗り物が、物理的にどれだけ処理できるか」を考え、片方で出した数字をもう片方で検算します。自分がより根拠を説明できる側で推定し、反対側は検算に回してください。
数字を置きたい対象 | 分解例 | 根拠の作り方 |
|---|---|---|
小売の売上 | 客数 × 客単価 | 商圏、来店頻度、商品構成 |
飲食の客数 | 席数 × 回転率 | 座席、滞在時間、営業時間 |
バスの利用者数 | 対象人口 × 利用率 × 頻度 | 高齢者・学生、代替手段、運行本数 |
施策の効果 | 対象人数 × 行動変化 × 利益単価 | 利用条件、現場制約、原価 |
計算結果が出たら、「何円増えるか」だけで止めません。最も効く変数を特定し、そこに効く施策を考えます。施策は分析の直後から出すため、思いつきの列挙になりません。
例:地方バスの利用を推定する場合、高齢者と学生の対象人口から利用率を置く一方、車両の座席数、運行便数、乗車率からも上限を確認できます。国土交通省は、乗合バス事業者による貨客混載を、地域の物流と旅客運送の継続に資する取組として案内しています。これは「荷物を載せればよい」根拠ではなく、需要の薄い便で輸送容量をどう収益化できるかを考える材料です。
施策をインパクトと実現可能性で絞り込む
施策は三つ程度に絞り、効果と実現性で比較します。最も派手な案ではなく、ボトルネックを動かし、現場が実行できる案を優先してください。評価軸を先に置くと、施策の優先順位を説明できます。
施策案 | 期待インパクト | 実現可能性 | 優先判断 |
|---|---|---|---|
日中便を予約制へ移行 | 高い | 中程度 | 対象路線を限定して検証 |
地域店舗との送客連携 | 中程度 | 高い | 早期に試行 |
独自の最適化システム開発 | 不明 | 低い | 後回し |
例:予約制なら、高齢者が予約できるか、予約のために運行効率が悪化しないかまで考えます。店舗連携なら、店舗側の集客・粗利がスポンサー費用を上回る設計にします。
▼特殊なケース問題にも対応できるよう解説を参照してください
実務経験をどう論理的に語るか
中途候補者は、実務経験を「業界知識の披露」ではなく、仮説の質と実行可能性を上げる材料として使うべきです。製造業出身なら供給制約や現場導入の障害、営業出身なら顧客の意思決定やチャネル、事業会社の企画出身なら部門間の利害を考慮して、どの前提を置くかに経験を反映できます。
一方で、「前職ではこうだったのでこの会社でも同じです」と一般化するのは危険です。経験は仮説の出発点であり、ケースの条件に照らして確かめる対象です。「類似案件では導入定着が障害になりやすかったため、顧客受容性を優先論点にします」と言えば、経験と問題設定がつながります。
▼面接練習で実務経験を整理する
失敗しがちなパターンと注意点
ケースで落ちる原因は、難しい計算ができないことより、思考のつながりを面接官が追えないことにあります。次の三つを避ければ、回答の再現性が上がります。

フレームワークを当てはめるだけで仮説がない
3Cや4Pを言えたとしても、なぜその順で見るのかがなければ分析は進みません。「顧客、競合、自社を見ます」で止めず、「顧客の離脱が最も影響すると仮説に置くので、顧客から確認します」と優先順位を言ってください。フレームワークは漏れを防ぐ道具であり、回答そのものではありません。
根拠のない数字や施策の列挙で終わる
「利用者は一日一万人」「アプリを導入する」と置くだけでは、数字も施策も評価できません。利用者は対象人口、利用率、頻度に分け、アプリは誰のどの不便を減らし、運用コストに見合うかまで考えます。案が多いほど良いわけではなく、分析から出た一、二案を深く説明する方が強い回答です。
最初の答えに固執して議論が止まる
面接官の追加情報で前提が変わったら、結論を変えるのが正しい対応です。「先ほどは新規顧客獲得を優先しましたが、既存客の離脱が大きい情報を踏まえ、再来店施策へ優先順位を変えます」と明言してください。更新を口に出すことで、議論を聞いていることと、判断を修正できることの両方が伝わります。
CaseMatch高得点者の回答に学ぶ交通機関の売上向上の思考プロセス
CaseMatchのAI面接で高得点だった回答から、地方の赤字路線バス会社を黒字化するお題の進め方を見ます。実在企業の選考を再現した記録ではなく、AI面接での回答例として、質問、構造化、反論への対応を学ぶ材料にしてください。
お題を確認して論点を切り分ける進め方
回答者は地域の類型、赤字の原因、住民の代替交通手段を順に確認しています。質問は多く見えても、「誰が乗るか」「なぜ赤字か」「何と競合するか」という施策を変える三点に絞られています。
「過疎化が進む農村だったりだとか、地方都市のベッドタウンだとか、そういうところで打つべき施策が変わってくると思います。」
良い点は、地域を聞くだけでなく、なぜ聞くのかという仮説を同時に示していることです。面接では質問の意図が伝わり、回答が得られなければ自分で仮定して先へ進めます。
続く提案では、コスト削減と収益源の多角化という二軸を先に提示し、予約制、貨客混載、スポンサー化をその下に置いています。面接官が全体像を追えるため、後の深掘りでも議論が迷子になりません。
「運行の適正化によるコスト削減と、移動の価値を変える多角化の2点から3つの施策を提案いたします。」
このように結論の構造を先に置くと、提案の数を増やさなくても思考の幅を示せます。ADLのケースでも、アイデアは二、三グループに整理して話す方が、論点間の重複を防げます。
指摘を受けて前提を修正し結論を更新する進め方
予約制への反論として高齢者の利用減が指摘された際、回答者はリスクを否定せず、電話予約と地域の支援を組み合わせる方向へ回答を修正しました。
「予約の手間や柔軟性の低下によって、特にデジタルツールに不慣れな高齢者層が離れてしまうリスクは高いと考えています。」
反論を受けたときの第一声は、「その懸念は妥当です」で構いません。その後に対象を限定し、どの設計でリスクを抑えるかを言います。全利用者を自宅前まで送迎する案は運行コストを押し上げるため、仮想停留所を設けるなど、利便性と効率の両方を取りに行く設計へ直すのが筋です。
この回答から学べること
- 打ち手を変える前提だけを質問する
- 課題と施策を二、三の軸で整理する
- 反論は認めたうえで、条件を限定して解く
- 施策の相手側にも成立する利益を示す
CaseMatchでは、初見のお題に時間制限付きで答え、質問への返し方まで含めて振り返れます。知識を読んだだけでは見えにくい「仮説の飛び方」や「結論が遅い癖」を、回答後のフィードバックで特定して次の一問に持ち込めます。
▼ADLのケース面接を練習する
まとめ|ADL中途のケース面接は"問題解決の進め方"がカギ
最後は、解答を覚えたかではなく、本番の進め方を再現できるかで確認します。声に出して一問を解き、詰まった箇所だけを戻って直してください。
- 問いを自分の言葉で言い換えたか
- ゴール、対象、制約を確認または仮定したか
- 構造と優先仮説を先に共有したか
- 数字の根拠を説明できるところまで分解したか
- 施策をインパクトと実現可能性で比べたか
- 結論、根拠、次の検証の順で締めたか
この六点を一枚のメモにして練習のたびに確認すれば、問題が変わっても戻る場所を失いません。ケースはその場の問題解決、人物面接は過去の行動と将来の意欲を示す場です。両者を混ぜず、経験談は「状況、課題、自分の行動、結果、学び」の順に整理し、志望動機は現職からの逃避ではなく、ADLで解きたい課題へ接続してください。
ADLの中途ケース面接で最も重要なのは、完成された答えを見せることではありません。問いを受け止め、構造を作り、仮説を検証し、対話を通じてより良い提案に更新する姿を、面接官に見せてください。
1分で完了
著者
畑中 翼
Senior Managerフジクラで研究開発・新規事業開発に従事した後、アクセンチュア、デロイト、イグニション・ポイント、ADLでコンサルティングを経験。現在はSenior Managerとして転職支援を担当。製造業・R&D領域に強みを持ち、QUNIE Award 2024優秀個人賞、外資就活ネクストAランクの実績を持つ。
監修者
小野 孝之
CaseMatch株式会社 CSO早稲田大学大学院卒業後、デロイト トーマツ コンサルティングを経て、アクセンチュアにてマネージャーを務める。現在はCaseMatchのCSO兼エージェントHeadとしてハイクラス層の転職を支援。エージェントとしては、ビズリーチSランク、外資就活ネクストAランクの実績を持つ。
面接練習で、選考を有利に進めよう。
1分で完了



